目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報
学園のツートップ

 見えてきたのは童話に出てくるような白亜の城。立派な門の前に近づいた時、暇そうな門番の顔がパッと輝く。



「アカツキさんとカナタさんじゃない

ッスかあ!!今日は星夜せいや様からの呼び出しッスか?」


「アカツキじゃないって、何回言えばわかるのお前」


「そうも読めるから問題ゼロッスよ!」



 黒衣を纏った少年、暁が溜息をつく。この門番は昔から人の話を聞かない。かれこれ腐れ縁の如くよく会うため、いつの間にか緩い関係になってしまった。



「そうそう。学園王からの呼び出し。今の時期って丁度、春の大祭の準備でしょ?なのに呼び出しなんてーー暇なのかな」



 背の高い青年ーーカナタが答える。



「確かにカナタさんの言う通りッスよねえ。暇そうには見えなかったんスけどね~ここ最近春の大祭の準備とかで、バタバタしてますから。みんなピリピリしてるんッスよ」



 緊張感のないやり取りを交わしていると、城の中からもうひとりの門番が出てきた。

コメント(0)
この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?