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黒猫と竜は白薔薇に恋をする
椿灯夏
異世界恋愛ロマファン
2024年11月02日
公開日
1,165文字
連載中
幻想学園ローズクオーツには不思議な力を宿した秘女(ひめ)がいる。


その名は“白薔薇姫”


傷ついたものを癒し、不浄を祓う聖女。しかしこの度の白薔薇姫である白月シアノは、まだ覚醒していない。そんな彼女の覚醒を任されたのは。


黒の騎士と呼ばれる、通称黒猫の少年と、
伝説の竜と謳われた末裔の青年だった。


今始まるーー学園幻想物語。



「シア」

「ねえ美しいオヒメサマ」



「「俺(オレ)たちが必ず護る」」



白薔薇姫としても、たったひとりの「愛した君」としても――永遠に誓おう。


《始まりの章》学園のツートップ

「ねー黒猫君。また縁談蹴ったんだって?高貴な血を引くお嬢様。性格は高飛車だけど、綺麗なんだからOKすれば良かったのに」


「嫌だね。そういうお前こそ、いい加減嫁もらえよ。伝説の竜と謳われた末裔の血が絶えてもいいワケ?」




 桜道をスラリと背の高い青年と黒衣を纏った少年が、そんなどうでもいい会話をしながら歩く。季節は春。どこもかしこも満開で、早く咲き過ぎた桜は既に散り始めている。




「いいよ別に。どうせいつかは滅びるんだからさ、生きているものは。黒猫君だって、同じでしょ?」


「多少は同感。俺は女なんてめんどくさい生き物は更々ごめんだしな」


「だよねー君は。オレは好きだけどー」




桜道は淡く染まり、夢と現実の境がわからなくなる。綺麗で、不思議で、異質な光景。




桜道を通り抜け、学園王がいる城へ向かう。

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