目次
ブックマーク
応援する
6
コメント
シェア
通報

第94話:キミノナーハ

「ニャポニャポ、ニャポニャポ、ニャッポッポ! ――1ニャッポ!」

「に、2ニャッポ!」

「3ニャッポ!」

「4ニャッポ!」

「「「「ニャッポッポ!」」」」

「FOOOOOO!!!! 原点にかえってニャポニャポニャッポしてみたけど、やっぱこれが一番しっくりくるね! ガン〇ムも初代が一番面白いもんね!」


 それは人によると思うから、あんま火種になりそうなこと言わないでッ!


「フッ、久しぶりだなモルモットの諸君。喜びたまえ、この私が、異世界への出張から帰ってきたぞ」

「「「っ!?!?」」」


 異世界への出張……だと……!?

 こいつなら本当にしてそうだから、リアクションに困るな……。

 しかも何故か今日の変公は、いつものパツパツのセーラー服姿ではなく、バニーガールの格好をしている。


「フッ、私は異世界でバニーガール姿の天才科学者として主人公をサイボーグに改造し、見事サポート役を務めたのさ」

「情報量多いな!?」


 その割には一ミリも言ってること理解できないし!


「では早速今日の発明品を紹介しよう」


 バニーガール変公は例によってバニーガールおっぷぁいのバニーガール谷間から、四つの錠剤を取り出した。

 ……くっ、今日こそは絶対に飲むものか!

 僕はしっかりと口を閉じた。


「フッ、おっ、あんなところに、メイド服を着た明智光秀が」

「どういう状況!?!?」


 敵は秋葉原にありかな!?!?


「隙あり!」

「あっ!」


 バニーガール変公はいつものサイドスローで、僕たち四人の口に寸分の狂いなく錠剤を放り込んできた。

 僕って、ほんとバカ(迫真)。


「「「んがぐぐ」」」


 そういえば、四人が同時に実験台になるのは初めてじゃないかな?(冷静)

 いったい今回はどんな作用が……。


「……うっ」

「……ぐっ」

「……あぁ」

「……あぅ」


 頭が割れるように痛い――。

 身体には特に変化はないようだから、精神に作用するタイプのやつか……?


「フッ、この発明品は『キミノナーハ』という。これで何となく効果は予想できるのではないか?」

「「「――!!」」」


 キミノナーハ!?

 それってあの、名作アニメ映画の――!?


 そう思い至った刹那、僕の意識はプッツリと途絶えた――。




「……ん?」


 そして気が付くと、僕は教室で仰向けに寝ていた。

 見慣れた天井が目の前に広がっている。


いてて……」


 まだ若干痛む頭を押さえながら起き上がると、何となく身体の感じがいつもと違う。

 特に胸の辺りがとても重い。

 ――この感覚には覚えがある。

 以前『クツガエール改』で女の子にされてしまった時とよく似ている。

 ただ、キミノナーハという名前からして、僕が女の子になったというよりは――。


「あ、あれ!? 何で私がここに!?」


 目の前にいるが、僕を指差してそう言った。


「俺!? どういうことだこれは!?」

「勇斗くん!? ひょっとして勇斗くんなの!?」


 勇斗と篠崎さんも、お互いを見つめながらあわあわしている。


「フッ、実験は成功だな。これぞキミノナーハの効果――『入れ替わり』だ!」

「「「……」」」


 ニャッポリートオオオオオオオ!!!!!(原点回帰)




「わぁ、凄い、男の子の身体ってこんな感じなんだね!」


 僕の身体に入ったまーちゃんが、手足を動かしながら、まじまじと自分の身体を見ている。

 そっか、僕は女の子の身体になったことはあるけど、まーちゃんは男になったのは初めてだもんね(そりゃあね)。


「おぉ、特にが、違和感パない……」


 まーちゃんは自分のを、じっと見下ろす。

 うん、まあ、さもありなん……。


「はぁ~、勇斗くんの身体逞しいね! 凄い凄い!」


 勇斗の身体に入った篠崎さんも、自分で作った力こぶを触りながらキャッキャしている。

 見た目は勇斗なのに言動は篠崎さんだから、ギャップがエグい。

 これはアニメ化した際に、声優さんの腕が試されるぞ(迫真)。


「美穂の身体も可愛いぞ」


 対する篠崎さんの身体に入った勇斗も、流石に自分の身体を触ったりはしていないが、妙に満足気だ。

 ひょっとしてTS願望があったりするのだろうか……?


「フッ、喜んでもらえたようで何よりだ。では私はこの結果をレポートに纏めてくるからな、感謝するんだぞ」


 しねーよッ!!

 勝手に人体実験の道具にした挙句、感謝しろだと!?

 完全に思考がサイコパスのそれ!

 前から言ってるけど、何でこんなやつが教師やってるの?(素)

 サイコパスバニーガールは、鼻歌交じりに教室から出ていった。

 一生異世界から帰って来なければよかったのにッ!


「フッフーン、それにしても、いつもともくんから私はこんな風に見えてたのかぁ。我ながらなかなか可愛いじゃん」

「ま、まーちゃん!?」


 その時だった。

 まーちゃんはおもむろに、僕に壁ドンしてきたのだった。

 は、はわわわわわわ。

 の顔が、こんな近くに……。

 あ、あれ……?

 僕の顔って、こんなに凛々しかったっけ?

 何だかとてもイケメンに見える……。

 ひょっとして身体はまーちゃんのものだから、まーちゃん目線の補正が入ってたりするのかな……?

 ……くっ、だとしたら、自分で自分の顔にときめいてるなんて、神話のナルキッソスもビックリのナルシストじゃないか。

 いかんいかん。

 僕の中で新しい扉が開いてしまう前に、自分を律さなきゃ……!


「何で目を逸らすの? ちゃんとこっち向いてよ」

「――!!」


 今度はまーちゃんは顎クイで、僕を自分のほうに向かせてきた。

 ひゃああああああ!!!

 今にもキスしちゃいそうなくらい近いよおおおお!!!!

 心臓が自分のものじゃないみたいにドクドクと早鐘を打っている。

 もう僕の全てを、まーちゃんに委ねてしまいたい――。


 ――い、いやいや!!

 だからそれはマズいってッ!!

 まだ僕高校生なのに、どんだけヤバい性癖開拓しそうになってんの!?

 そ、そうだ――!

 勇斗と篠崎さんは――!?

 あの二人は、今どうなってるんだ――!?

 ふと二人のほうに目線を向けると、そこには――。


「勇斗くん……好き」

「ああ、俺もだぞ、美穂」


 ――!?!?

 頬を染めた篠崎さん(身体は勇斗)が、キリッとしたイケがおの勇斗(身体は篠崎さん)にしなだれかかっていた。

 篠崎さんっていつも、僕がちょっと目を離した隙に勇斗に落とされてるよね!?!?

 これは篠崎さんがチョロインなのか、それとも勇斗がイケメンすぎるのか、はたまたその両方なのか……。

 何にせよ、絵面的には大男の勇斗が、小柄な篠崎さんに甘えているというものなので、バブみ感がパない……!


「フフフ、あっちはあっちでよろしくやってるみたいだね。――じゃあ、私たちもに行こっか」

「え? いつものところって――きゃっ!?」


 例によってまーちゃんにお姫様抱っこされた。

 僕って日本一、彼女にお姫様抱っこされてる高校生じゃないかな!?!?

 いや、今日は身体が入れ替わってるので、にお姫様抱っこされてるとも言えるかもしれないけど……。




「さあ着いた」

「――!」


 そうして連れてこられたのは、これまた例によって保健室。

 もちろん今日も優子はいない。

 僕はこの学校を卒業するまでに、優子が保健室にいるところを見ることはできるのだろうか……?


「よいしょっと」


 そして慣れた手つきで、ベッドに僕を寝かせるまーちゃん――。


「い、いやいやまーちゃん!? 今日だけはマズいって!? だって僕たち今、身体が入れ替わっちゃってるんだよ!?」

「うん、そんなこと言われなくてもよくわかってるよ」

「っ!?」


 そう言うなり、イケがおで僕に覆い被さってくるまーちゃん。

 はわぁ~、か、かっこいい~。

 ……ハッ! ダ、ダメダメ!

 だってこのままだと僕、ってことに……!


「いいだろ? ――もうどうしても我慢できないんだよ。――愛してるよ、

「――!?!?」


 えっ!?!?!?

 ま、まーちゃん!?

 今僕のこと、って……!?

 あ、ああ……、ああああああああああ……。


 あーーーーれーーーーーーーーーーーーー。

この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?