「『ちっこいズでのわっさほーい!』」
「「「FOOOOOOOO!!!!」」」
「ふーーーーーーーー」
「全国1億8000万人のちっこいズファンのみなさん、こんばんは。今週も『ちっこいズでのわっさほーい!』の時間がやってまいりましたっさほーい」
「日本の人口より多いですね!?」
「MCはわたくし田島勇斗と」
「あ、浅井智哉でお送りいたします……。――いやマジでレギュラー番組になってる!! 僕は前回あれだけもう出たくないって言ったのにッ!!」
かんがえがあまいなー、あさいくん。
ここはうみせんやませんのもさがうずまくげいのうかいだぜ?
そんなかんたんにあさいくんみたいなきんのたまごをにがすわけないじゃん。
でもうみせんやませんってなにかなー?
とにせんかみせんみたいなものかなー?
「今日は新年一発目の放送ということで、ちっこいズのみなさんには着物を着ていただいております」
「「「FOOOOOOOO!!!!」」」
「ふーーーーーーーー」
「それはいいんですけど、僕達まで紋付袴を着る必要はありますかね!?」
あるよあるよー。
あさいくんのもんつきはかますたいるぎゃんもえだよー。
でももんつきはかまってなにかなー?
はかまだよしひこみたいなものかなー?
「ではちっこいズのみなさん、今日も張り切って自己紹介お願いしまっさほーい」
「相変わらず僕の話は誰も聞いてくれない!!」
みおはきいてるよー。
きいてるだけだけど。
「はーい、テレビの前のみなさんあけましておめでとうございまーす。ちっこいズの監禁担当、『未来から来た監禁姫』、tamaだよー!」
「着物がとっても似合ってますね」
「わかった! 今回の田島さんは全部、『着物がとっても似合ってますね』で押し切るつもりだ!」
「今日はテレビの前のみんなから、お年玉という名の生命エネルギーを、ごっきゅんごっきゅん吸い取っちゃうお! ちっこいズの魔王担当、『異世界の妹系魔王』、mawoだお!」
「着物がとっても似合ってますね」
「ほらやっぱり!!」
「今年もテレビの前のお兄さん達が健康に過ごせますようにって、私が代わりに初詣でお祈りしておいたからねー! ちっこいズのリーダー、『絶壁のブチギレ妹』、maiだよー!」
「着物がとっても似合ってますね」
「さて、ラストのオチはどうするつもりなのかな!?」
「みおのかえりのかばんにはまだじゃっかんのよゆうがございます。おとしだままってまーす。ちっこいずのあざとたんとう、『あらふぉーぎわくのはらぐろようじょ』、みおだよー」
「着物がとっても似合ってますね」
「そこは変えろやッッ!!!!」
たじまくんわかってるー。
「ちょっと待ったーーー!!!」
「「「っ!!!?」」」
むむむ?
このこえは。
「この世に正義の陽が射す限り――」
「あ、悪が芽吹いたためしなし――」
「並み居る悪を斬り捨てて――」
「咲かせてみせましょ紅牡丹――」
「我ら正義の使者! 歌って踊れて戦える、魔法少女アイドル!」
「『ブリギュアッポリート』!」
「「見・参!!」」
「まーちゃんと篠崎さああああああああん!?!?!?!?」
ぶりぎゅあっぽりーときたーーー(だいかんき)。
こんかいはふたりのいしょうもきものすたいるになってるやんけ(かんさいべん)。
「何で二人がここにいるの!?」
「ふっふっふ、私達はちっこいズの公式ライバルなんだよともくん? そんな私達がいなきゃ、『ちっこいズでのわっさほーい!』は成り立たないでしょうが!」
「果たしてそうだろうか!?」
「茉央ちゃ……じゃなかったギュアブラックはこう言ってるけど、私はどうしても出たかったわけじゃなくて……」
「何を言ってるのよギュアホワイト! そんな心意気じゃ、この番組乗っ取れないよッ!」
「本音出ちゃってるよまーちゃん!!」
わがあねながらおそろしいおんなだぜ。
おねえちゃんはどんなこんてんつでもすぐじぶんのものにしようとするからなー。
でもこんてんつってなにかなー?
てっこつむすめみたいなものかなー?
「まあまあ浅井さん、ブリギュアッポリートは確かに公式ライバルですし、出演する資格はあると私は思いますよ」
「田島さん!?」
「ちっこいズのみなさんもよろしいですよね?」
「むう、ま、まあ、ギュアホワイトさんに免じて、今回だけは出演を許可してあげることもやぶさかではないです」
「ま、maiさん……」
まいちゃんぎゅあほわいとにあますぎもんだい。
ひんにゅーのきずなとはかくもつよいものなのか(はくしん)。
「と、いうわけで、本日はこのメンバーで『ちっこいズでのわっさほーい!』をお送りいたしまっさほーい」
「遂に僕の彼女がテレビデビューしてしまったあああああ!!!!」
よかったねあさいくん。
みおとおねえちゃん、かのじょがふたりともげいのうじんだなんて。
なろうしゅじんこうかよ。
「今回はちょうどちっこいズとブリギュアッポリート、2チームに分かれているので、チーム戦をしていただきたいと思います」
「チーム戦!?」
「因みに勝利したチームには、番組の最後に歌を披露する権利が与えられますので、両チーム共頑張ってください」
「ちっこいズの冠番組なのにちっこいズが歌えない可能性もあるの!?」
「よっしゃああああ!!! テンション上がってきたぜええええ!!!」
「わ、私は別に歌えなくても……」
「ふん、私達だって負けませんよお! ねえみんな!」
「はい、リーダー!」
「絶対負けないお、リーダー!」
「おむねがちっちゃいね、りーだー」
「クソがああああああ!!!! 今は胸は関係ないでしょうがあああああ!!!!」
「うちのmioちゃんが本当にいつもすいません!!!」
いやあ、やっぱまいちゃんはひんにゅーをいじられてるときがいちばんきらきらしてんな。
ちなみにみおは、しょうらいてきにきょにゅーになることがかくていしてるけどね(だい87わさんしょう)。
「対決内容はこちら! バレンタイン告白シチュエーション対決ー!」
「バレンタイン告白シチュエーション対決!?」
ほほう、さすがたじまくん、おもしろそーなきかくもってくんじゃん。
「ルールは簡単です。来月は女子にとっての一大イベント、バレンタインですよね? そこでみなさんには一人一回ずつ、バレンタインに好きな男性にチョコを渡すというていで演技をしていただきます。それで見事私を一番キュンとさせられた人がいたチームの勝利となります」
「何かもう僕今回のオチ見えたんですけど!?」
よーし、まけないぞー。
「演技する順番は早い者勝ちといたします。最初にやりたい方は挙手をお願いします」
「はーい! ここはちっこいズの特攻隊長である、私がいくっきゃないっしょ!」
おお、たまちゃん。
まかせたぜとっこうたいちょう。
ところでとっこうたいちょうってなにかなー?
ぶっこみのたくみたいなものかなー?
「それではtamaちゃんのバレンタイン告白シチュエーション、いってみまっさほーい!」
さーて、おてなみはいけんといきますか(たかみのけんぶつ)。
「ゴメンね急に呼び出して。どうしても今日中に渡したい物があってさ。――はいこれ、本命チョコと、本命の監禁用の檻」
「本命の監禁用の檻!?!?!? 監禁用の檻に本命もクソもあるのかな!?!?」
やるねたまちゃん。
かんきんやんでれきゃらとばれんたいんをうまくあわせてきたね(めがねくいっ)。
「うんうん、とってもキュンとくる素晴らしい演技でしたよ」
「今のでキュンとくる田島さんの感性僕は心配です!!」
「それでは次、我こそはという方はいらっしゃいませんか?」
「はいはーい、アタチがやってやるんだお!」
ほほう、まをちゃんか。
みせてくれよ、まをちゃんのほんきってやつをよ(とうちほう)。
「それではmawoちゃんのバレンタイン告白シチュエーション、いってみまっさほーい!」
「ねえねえ、今日が何の日か知ってるかお? え? バレンタインデー? 違うお。今日は羽生善治が史上初の将棋のタイトル七冠独占を達成した日だお」
「いやバレンタインチョコどこいった!?!?」
なるほど。
あえてちょこをわたさないことによって、おとこごころをくすぐるじらしぷれいってわけね?
べんきょうになるぜ。
「うんうん、とってもキュンとくる素晴らしい演技でしたよ」
「だからどんな思考回路してたら今のでキュンとできるんですか!?」
「さあケツカッチンなのでどんどんまいりましょう。次の方は」
「ふふん、この辺でそろそろ本命登場といきますかねえ!」
おっと、ここでおねえちゃんか。
どうなることやら。
「ではギュアブラックのバレンタイン告白シチュエーション、いってみまっさほーい!」
「――ともくん」
「えっ!? ぼ、僕!?」
およよ?
おねえちゃんたら、あさいくんのめのまえにたったぞ?
「今年のバレンタインチョコは、わ・た・し。溶けない内に、いっぱい食べてね?」
「あ、うん……。いやリアクションに困るなこれッ!!! 何でカメラの前でこんな恥ずかしい思いしなくちゃいけないのッ!?」
そんなこといいつつもほんとはうれしいくせにー。
みみまでまっかになってるぞあさいくん。
あ、そうだ。
そういえばきょうはまだいってなかったっけ。
「あさいくんあさいくーん」
「今なの!? 言うタイミング絶対今じゃなかったよね!?」
ふう、これでのるまたっせいだぜ。
「うんうん、とってもキュンとくる素晴らしい演技でしたよ」
「田島さんのリアクションの幅、猫の額より狭いですよね!!」
「これで半分の方が演技を終えましたね。ここから折り返しです。どなたがまいりますか?」
「ぬう。では、そろそろ私がいかせていただきますかねえ」
まいちゃんきたーーー(だいかんき)。
まいちゃんまいちゃん、おれたちのまいちゃん。
「ではmaiちゃんのバレンタイン告白シチュエーション、いってみまっさほーい!」
「あ、お兄さん、お仕事中にすいません。これ、どうしても一刻も早く渡したくて。――給料三ヶ月分のバレンタインチョコです! 受け取ってください!」
「愛が重すぎるッ!!!!」
やんでれまいちゃんきたーーー(だいかんき)。
まいちゃんもこうみえて、なにげにやんでれないちめんもあるのです(めがねくいっ)。
「うんうん、とってもキュンとくる素晴らしい演技でしたよ」
「田島さんの脳のCPUファミコン以下じゃない!?」
「さあ残るは後二人! どちらが先にいかれますか?」
「え、えーっと……」
「はーい。みおがさきにいきまーす」
「っ!」
わるいねぎゅあほわいと。
かなしいけどこれせんそうなのよね。
「それではmioちゃんのバレンタイン告白シチュエーション、いってみまっさほーい!」
やぁぁぁってやるぜっ。
「はいこれ、みおがあいじょうこめてつくったほんめいちょこだよ。あとこれはみおがほわいとでーのおかえしでほしいもののいちらんひょうね」
「僕は未央ちゃんの将来が本気で心配だよッ!!!」
「うんうん、とってもキュンとくる素晴らしい演技でしたよ」
「見事そのリアクションのみでここまできた勇気だけは買いますよ!!」
「――さて、ではいよいよ大トリとなりました。ラストはギュアホワイトのバレンタイン告白シチュエーション、いってみまっさほーい!」
「あああああ、ホントはここまで引っ張るつもりじゃなかったのにー!」
ふふふ、いまさらこうかいしても、もうおそい。
はらをくくりなねえちゃん。
「えーい、もう、どうにでもなれ! ――ゆ、勇斗くん、これ」
「――!」
おおっとー、たじまくんのまえだー。
たかさーん、ちぇええっく。
「一生懸命作りました。よ、よかったら受け取ってください!」
「――ありがとう、美穂。滅茶苦茶嬉しいよ。大事に食うからな」
「いやそういうのは他所でやってくんないかな!?!? 本番中なんですけどね、今!!!」
あさいくんとおねえちゃんもひとのこといえないとおもうけどね。
「――優勝はギュアホワイトに決定です!」
「ゆ、勇斗くん……!?」
「やっぱりこういうオチだったねッッ!!!!」
やれやれ。
おやすくないぜ。
「やったねー、ギュアホワイト! 私達の勝ちだよー!」
「う、うーん、いいのかなぁ。完全に八百長っぽかったけど……」
「いや、今回は私達の完敗です。――見事なキュンキュンシチュエーションでしたよ、ギュアホワイト」
「ま、maiさん……」
まいちゃんぎゅあほわいとにあますぎもんだい(てんどん)。
「それでは勝利したブリギュアッポリートのお二人は、歌の準備をお願いしまっさほーい」
「よっしゃああああ!!! やぁぁぁってやるぜっ!!」
「せ、精一杯頑張ります!」
ふっ、みおたちにかってうたうんだ。
へたなうたひろうしたら、しょうちしないぜ?
「聴いてください。ブリギュアッポリートで、『ネオページ新規投稿応援キャンペーン開催中』」
「「「ウオオオオオオ!!!!(野太い声)」」」
「例によって嫌な予感しかしないッ!!!」
みせてもらおうじゃないか、ふたりのかくごってやつをよ(とうちほう)。
「みんな~、ネオページでは新規投稿応援キャンペーンっていうのを開催中だぜ~」
「「「フワッ! フワッ!(野太い声)」」」
「新規投稿小説の連載を続けば続けるほど〜、ボーナスが貰えるんだ~」
「「「ファイボー! ワイパー!(野太い声)」」」
「一作品につき~、最大3万5000円相当の~、Amazonギフトカードが貰えるぜ~」
「「「イエッ! タイガー!(野太い声)」」」
「一人二作品まで応募できるから~、合わせて最大7万円~」
「「「オイッ! オイッ! オイッ! オイッ!(野太い声)」」」
「「この機会に~、みんなもネオページで小説書こうぜ~」」
「「「エル・オー・ブイ・イー・ブリギュアッポリートー!!!(野太い声)」」」
「ここで言って効果あるかなッッ!?!?」
わかってないなーあさいくん。
こういうくさのねてきなじみちなかつどうがだいじなんだよ。
これだから『とーしろ』は。
「それでは来週もまたこの時間にお会いしまっさほーい!」
「今度こそ僕は二度と出ませんからねッ!!」
はいはい、みおしってるよ。
あさいくんのそれは「おすなよおすなよ」ってやつだよね?
ほしがりさんだなー、あさいくんは。