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第43話:あさいくんあさいくーん④

「あさいくんあさいくーん」

「うおっ!? 未央ちゃん!? どうしてここに? お父さんとお母さんは一緒じゃないの?」


 もちろんいっしょだよ。

 でも、どうしてもあさいくんとふたりきりであいたかったから、まいたんだよ。


「あさいくんかわいー」

「あ、うん……。それはありがとう……」


 なんでちょっとしょぼんとしてるの?

 おひめさまのかっこう、とってもにあっててかわいいのに。


 きょうはあさいくんのがっこうのぶんかさいだっていうから、みおもつれてきてもらったの。

 そしたらあさいくんがげきでしゅやくのおひめさまをえんじてたんだもん。

 みお、とってもかんげきしちゃった。

 ひでき、かんげき。

 だからこのきもちをぜひあさいくんにちょくせつつたえたくて、こうしてがくやにしのびこんだんだよ。

 たまたまがくやにはあさいくんしかいなかったから、らっきーだったね。

 みおのひごろのおこないがいいからですかね(どやがお)。


「あさいくんあさいくーん」

「ん? 何だい、未央ちゃん」


 えへへー、よんでみただけだよ。

 でも、きょうのあさいくんはふりふりのどれすをきてるから、ふとももにほおずりできないなー(しょんぼり)。


 そうだ。


「よいしょ、よいしょ」

「えっ!? み、未央ちゃん!? 何やってるのッ!? なんで僕のスカートの中に入って来るのッッ!?!?」


 うひひひー、よいではないかよいではないかー。

 ひゃー、なかはまっくらでなんにもみえないなー。

 でもこのすべすべしてるのはあさいくんのあしだよね?

 よしよし、きょうもほおずりでまーきんぐしておこーっと。


「ひゃうっ!? 未央ちゃんッ! くすぐったいよぉ!」

「えっ? 未央がどうかしたの、ともくん?」

「っ!!? ま、まーちゃんッ!?」


 おや?

 このこえはおねえちゃん?

 もう、せっかくあさいくんとふたりきりだったのに。

 じゃましないでよ。


「い、いや、ななななな何でもないんだッ! 未央ちゃんじゃなくて麻雀まーじゃんって言ったんだよ! たまには麻雀でもやりたいなって! ……ははは」

「……ふーん」


 まーじゃんはみおもしってるよ。

 『あんたせなかがすすけてるぜ』ってやつだよね?

 ようちえんでよく『わしずまーじゃん』もやってるよ。

 でも、このしちゅえーしょんて、けっこんしきにもとかれがやってきて、はなよめのうえでぃんぐどれすのなかにはいって、しんろうのまえでにゃっぽりーとするやつみたいだね。

 よーし、きょうこそあさいくんのぱんつおろしちゃうぞ。


「――!! ちょっ!? マ、マジでそれはマズいって……!」

「え?」


 ほれほれー、よいではないかよいではないかー。


「……ねえ、ともくん」

「えっ!? な、何かな、まーちゃん……」

「――じっとしててね」

「ぬあっ!? ま、待って! お願いだからそれだけはッ!!」


 あ。


「……ふーん。やっぱりこういうことだったんだね」

「いや、これにはその……、深い訳がありまして……」


 や、やっほー。

 きょうもいいてんきだねおねえちゃん。


「早くそこから出なさい、未央」

「は、はーい」


 うひぃ~。

 おねえちゃんめっちゃおこってるよ~。

 これは、きょうはいっしょにおふろはいってくれないかも……。


「まったく、ここは関係者以外立ち入り禁止なんだよ。お母さん達も心配してるだろうし、早く戻りなさい」

「しょ、しょうちしました」


 うう~。

 くわばら、くわばら。

 ここはすなおにしたがっておくことにしましょう。




「……で? ともくん、私に噓をついたからには、どうなるか覚悟はできてるよね?」

「い、いや~、どうでしょうね~。出来れば半年程、覚悟を決める時間をいただきたいのですが……」

「ダーメ。今すぐここでオシオキです」

「えっ!? オシオキって……。――ま、まーちゃんッ!? いやいや、それはマズいってマジでッッ!!! あ~、ニャッ、ニャニャニャッ……ニャッポリート!」


 はて?

 なにをやってるんだろうふたりとも?

 こえだけだとよくわからないなぁ。

 ちょっとだけなかをのぞいちゃだめかな?

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