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第33話 他の後輩達の様子を見始めたんだけど、どうすればいいと思う?

「──よおーし、午前中はここまで。お疲れー」

「お、お疲れ様、です……ぜえっ、ぜえっ……」


 俺はソードの午前中分のトレーニングに付き合った後、背伸びをしていた。

 ソードの少年も剣を支えにしてかなり息切れをしているが、なんやかんやでここまで求めた基準を全てクリアしている。

 パッと思いついたトレーニングをさせて見たけど、予想以上の成果を出してくれてるな。思ったより進んだなあ。

 本人のやる気もかなり高い状態を維持出来てるし、午後も期待出来そうかな。


「ほれ、とりあえず水分補給。ポカリでいいか?」

「あ、ありがとうございます……! ゴクッ、ゴクッ……ぷはあ!」


 とりあえずあらかじめ用意していたペットボトルを投げ渡し、それをすごい勢いで飲み干していく。

 あっという間に500mlのペットボトルが空っぽだ。


「い、今、お昼休憩の時間なんでしょうか……?」

「いや、後30分は時間あるな」

「え? まだそんなに? じゃあ、後30分はやってた方が……」

「キリがいいところでいいんだよ。無理にバテバテ状態で続きやっても、身にならねえぞ」


 もうパッと見た感じ、ソードの体力は既に限界を迎えている。

 午後のトレーニングを調整するにしても、これ以上の疲労は逆に足を引っ張る恐れがある。

 俺の言葉に、確かに……と頷いているソード。

 俺達は早く終わったけど、他の所はまだやってそうだな……ふむ。


「ソード。ちょっとクールダウンも兼ねて、他のメンバーの様子を見に行かねえか? リーダーとして、他のメンバーの実力や状況を把握するのも大事だと思うぞ」

「っ! そうですね! じゃあ、早速向かいましょう!」


 俺の言葉に元気よく返事をして、改めて立ち上がるソード。

 多少足は疲れでプルプル震えながらも、その顔はまっすぐこちらを向いていた。


 俺はそんなソードを連れて、他のみんなの所に周っていくのだった……


 ☆★☆


「最初は、ピンクのところが近いかな?」

「アローが一緒の人ですよね? 小さいのに、上位ヒーローに混ざれているって凄いですよね」


 俺はソードとそんな会話をしながら歩いていた。

 ソードはピンクの事を感心しながら話している。


「アローのやつ、ピンクさんの事年下だからって可愛がってないといいけど……一応は先輩なんだし、敬わないと」

「いや、ピンクは一応最近入ったばかりのはずだから、寧ろ戦隊所属順で言えばピンクが後輩扱いになるぞ?」

「あれ、そうなんですか? へー……」


 そう言うと、ソードはそう呟きながらも、何処か不安そうな声を漏らし始めていた。

 ふーん? 


「なんだ? 大方、年下ならまだしも、所属年数も短いならアローって子の特訓にならないんじゃないかー、って心配しているのか?」

「ギクっ! そ、そんな事は……」

「ま、その不安は尤もだな。ただ……」

「ただ?」


「──“仮にも全戦隊の中で、最年少ヒーローのあの子を舐めるなよ?”」


「……っ!!」


 俺はソードにそんな事を言いながら、訓練場を移動していく。

 すると、丁度ピンク達の特訓場所まで見える位置に入り……


「“パワー・シュート!!”」

「“ピンク・アロー!!”」


「お、やってるやってる」


 ちょうどピンクとアローと呼ばれた子が、互いに離れた位置で必殺技を放ち合っていた。

 先に放たれたのは、アローの必殺技らしき力強い矢。

 エネルギーが込められたそれはピンクに向かって放たれており……


 “それをピンクの矢が相殺、いや、打ち破った”。


「……ッ?!!」


「くきゃああああ!? またああああ?!!」


 遠くから見たソードはその光景に驚愕しており、必殺技を貫かれた上でアローのところまで迫ったピンクの矢を慌てて避けている彼女。


「ック!!」


 そう食い締めながら、アローは回避した後高速で5連続の矢を放つ。

 それらは全てピンクに向かって綺麗に迫っていき……


「はッ!!」


 “それを全く同じ数打ち返して、空中で相殺、どころか相手の矢を真ん中で割りながら飛んでいくピンクの矢”


「なんでえええ!? 私の方が弓矢のパワー自体は上の筈なのにー!?」


 そう嘆いていたアローの言葉は、本気で戸惑いの声色を出していた。


「えー? でも、“キチンとど真ん中に撃ち返せば逆に綺麗に割れない?”」


 それに対するピンクの答えがそれ。

 そもそも、飛んできている弓矢に対して空中で相殺しようとする時点で頭がおかしい事に自覚が無い。

 そもそもその理由なら、アローの矢もど真ん中にヒットしている筈なのに、一方的にアローの矢だけ真っ二つに割れている時点でどうかしている。

 ピンク曰く、矢の頑丈さ以外に、しなりのタイミングがどうとかあるらしい。


「ほら、どんどん撃ち合うよー。私のところまで一本でも届かせることが出来たら合格ね♪」

「いやああああ!! かわいい顔してて愛でたいのに、目標の難易度が実際には遥かに高くて可愛く無い〜!?」


「…………っ!?」

「すまねえ、ソード。どうやら“可愛がっていたのはピンクの方”だったらしいな」


 驚愕して、声も出ないソードに対して、俺はそう返した。

 どうやらアローは、貫通力だけは自信があったらしく、それを真正面から破られているのを見て驚愕したらしい。


「……やはり年下といえど、上位ヒーローだと改めて実感しました」

「だろ? じゃあ、他のメンツも見にいくか」


 そうして、俺達は次の箇所に向かって行った……


 ☆★☆


「さて、次はイエローのところかな?」

「確かボマーでしたね。ここからは武器が互いに違いますけど……」


 そうして二人の所まで行くと……


「“トリプルボム・スロー!!”」


 ボマーと呼ばれた少年が、ちょうど3つの爆弾を投げつけている所だった。

 それがイエローに向かって放り投げられて……


「ほいっと!」


 イエローは鞭を使い、それらを“空中でキャッチする”。


「なあっ?!」

「お返しッス!!」


 そのままキャッチした爆弾を、ボマーにビュンッ! と投げ返し。

 本人の場所でボカアアアンッ! と爆発していた。


「投げてから爆発までの時間が遅いっス。そんなんじゃ今みたいに逆に投げ返されて、おわりッスよ?」

「ック、流石はランキング65位経験者、伊達では無いって事ですか……!」

「もっと爆発を当てるために、工夫が必要ッスよ。例えば爆発までの導線を短くして、投げ返すスキを与えないとか。そもそも爆弾を投げるだけじゃ、軌道が読みきられやすいッス。爆弾そのものに自走機能つけるとかして動きにバリエーション持たせた方が良いッス」

「ふふ、勉強になりますね……!!」

「さて、続きやるッスよー」


 そう言って、再度爆弾の投げ合いの応酬を始める二人だった。


「あのイエローって人、鞭をあんな手足のように自由自在に……!?」

「ま、強さには必殺技だけじゃ無いって事だな。ここは順調っぽいな。次いくかー」


 そうして、俺達は再度次の場所へ──



 ☆★☆


「次は……ブルーか。ブルーかあ……」

「え? どうしたんですか?」

「いや、まあ……やりすぎていないかどうか、心配を……」

「確か、シールドが相手の人でしたね。そんな心配するような事が……?」


 そんな事を話しながら、二人の特訓場所に向かっていると……


「あーっはっはっは!! どうかしら、息苦しく無いかしら! シャボン玉の中に入れて楽しいわねー!」

「ック!! あなたと言う人は……?!!」


 やっぱりー……

 俺はそんな感想が浮かんでいた。


 見るとシールドと呼ばれた少年が、“全身大きなシャボン玉にすっぽり覆われていた”。

 あー、あれクロス戦隊にも使った奴……


「いくら盾で防御出来ると言っても、“盾ごと包まれたら世話ないわね!!” あはは! ねえ、あなたさっき“跳弾”にも耐えられてなかったわよね! 背中からの攻撃全然防げて無かったわよ! その盾何? 飾り? 飾りなの? ボーッと突っ立てるようにしか見えなかったわー!!」

「こ、この人は……ッ!!」


 ブルーの煽りの言葉に、プルプルと震えるシールド。

 隣でソードがあわ、あわわ……っ! と震えていた。


「な、舐めるなああ!! “リアクティブ・バースト!!”」

「おおっ?!」


 そう叫ぶと、シールドの周囲に衝撃波が発生し、それでシャボン玉を大きく膨らませて、破裂させていた! 

 おお!? あれ破れるのか!? 普通にスゲーな! 


「どうだ!! 簡単にやられるほど俺は弱く無い!!」

「凄いわねー、素直に感心しちゃった」

「ふん! 俺の力を思い知ったか!!」

「じゃ、あ〜。これならどうー? “ブルー・スパイラル”」


 そう言って、ブルーは水の渦を発生させる技を発動していた。

 その渦に、盾ごと全身を引き寄せられてしまうシールド。


「ック!? 堪えきれない……!? でも、この程度でやられは!」

「じゃあ、“ブルー・スパイラル”。“ブルー・スパイラル”。“ブルー・スパイラル”」

「っちょ!? なあ?!」


 そうして、連続で放たれた渦によって、遠く遠くへ運ばれていくシールドだった。

 技が終了した後、バシャアっと地面に倒れる彼。


「ッくそ! 何が目的だ!? こんなのただ移動させただけじゃ…… !!」

「あなたこそ何言ってるの?」


「あなたシールド、タンク役でしょ? “それが何こんな簡単に移動させられてるのよ”。仲間守る気ある? ガラ空きになるわよ」

「……ッ?!」

「強制移動技をモロに受けて、仲間から離れてたから守れませんでした、って言うつもり? だとしたらやる気無しとしか言いようがないわね。あなた自分だけ敵の攻撃から生き延びればいいと思ってる? 戦隊はチーム戦という事を改めて自覚しなさい」

「ッ……覚えて、おく」


 ブルーの言葉に、言い返せず悔しそうに納得しているシールド。

 悔しさを滲ませながらも、参考になるべきことはあったようだ。


「それじゃ、続きやるけど……心、折れないでね?」

「誰が!!」


 そうして、再度ブルーの技の応酬が繰り広げられていた。


「はえー……流石はブルーさん。シールドをいとも簡単に……」

「まあ、あれくらいはやれるだろうな。ほれ、次が最後だ。行くぞー」


 そう言って、俺達は最後の場所へと向かっていった……


 ☆★☆


「うわ──ん!! ソード、ソードおおお!!」


 グリーンの所に行ったら、ブーメランと呼ばれていた少女が泣きながら走ってきた。


「おわあ!? ど、どうしたブーメラン!?」

「酷いの!! グリーンさんがね、酷くて凄いの!!」

「ええ!?」


 その言葉にソードは激しく驚いていた。

 離れた位置にいるグリーンさんに視線を向けると、気まずそうにポリポリと頭を掻いていた。


「何やったんですか、グリーンさん……」

「ん。いや、別に。攻撃を打ち返しただけで……」


 俺がそう質問すると、そんな答えが帰って来た。

 それであ……と、俺は察する。


「見ててね! グリーンさん、お願いします!」

「ん」


 そうして、ブーメランとグリーンさんは互いに構えていた。


「まず、私が攻撃を投げるでしょー?」

「うんー」


 そうして、ブーメランの少女が武器のブーメランを投げた。


「それを、グリーンさんが撃つでしょー?」

「うんー」

「んッ」


 次に、グリーンが武器のブーメランに狙撃した。

 ただし、“掠っただけだったが”


「あれ? 掠っただけ? てっきり撃ち落とされ続けたりしたのかと……」

「違うの! よく見て!」


 そう言われて、ソードが武器のブーメランをよく見ていた。

 すると、ソードもようやく気づいたのか目を見開く。

 “ブーメランの回転数”が上がっている事に。


「あれ!? 投げた直後より回転数が上!?」

「でしょ!? そのせいで、“グリーンさんに攻撃が届く前に私に帰ってくる”でしょー!?」

「うん、うん!?」


 その言葉通りに、武器のブーメランがグリーンの手前で急カーブを描いて少女に戻っていく。

 しかし、その回転力は上がった状態のまま。


「回転力上がっちゃったから、“本来私の手元で自動停止するはずの機能が作動しない”でしょー!?」

「うん、ええ?!」

「だから、そのまま“私のブーメランが本人への攻撃”になっちゃってるのー?! きゃあああああッ?!!」


 そう言いながら、思いっきりしゃがみ込んで頭のあった箇所を通り過ぎていく武器のブーメランだった。

 攻撃を打ち落とすのではなく、“逆利用”する。これがブーメランの少女が言っていたグリーンさんの酷くて凄い事だった。


「ちょっと待ってください!? これもしかして今までで一番凄い事やってませんか!? 撃ち落とすならともかく、本人に戻るようにただ掠らせるだけ?! どんな技術ですか!?」

「ん、努力の成果」

「グリーンさんは精密射撃だけで言うならウチで一番凄いからな……」


 ただ狙いが正確なだけなら、ブルーもピンクも上位には入るだろう。

 しかし、グリーンさんはその一歩先、狙撃で当てるだけでなく、それ以上の成果を狙ってくるスナイパーだ。

 伊達にウチで唯一の30位経験者なだけはあるのだ。


「こうなったら、直接ブーメランを投げずに叩きに行ってやるー!!」

「ん、そのいき」


 そうして、ブーメランの少女はただ武器を手に持って近接攻撃しに行くという、本末転倒のようでいて、割と近接時の技として最適な行動をしてグリーンに走って向かって行った。

 うん、元気が有り余っているようで何より。


「はあ────…………」


 そうして、横でソードが感心したように長い息を吐いていた。


「それじゃあ、そろそろ戻るか。昼休憩の時間になるだろうし」

「っは!? あ、はい!!」


 そうして、俺とソードはお昼休憩の場所に向かって行った……


 ☆★☆


「──さて、午前中の特訓は終わったけど、みんなどうだったかな?」


 俺がそう問いかけると……


「すっごい身に染みました!! ありがとうございます!」

「うわあああん! 結局まだ1発も届いてないよー!!」

「僕、あんなに攻撃逆利用されたの初めてです……」

「ック、俺はあんなに隙だらけだったのか……」

「敢えて武器投げずに向かったけど、ダメでした!!」


 とまあ、思い思いの感想を繰り広げていた。


「いやー、スッキリしたわー」

「はいッス! 分からせ最高っス!」

「楽しかったよー!」

「ん、面白かった」


 と、俺達側からもそんな声が。


 というか、俺以外大体直接戦闘訓練をやってたなこいつら……? 

 特訓内容自体は各自に任せていたけど……まあ、各々の問題点を自覚させる事が出来たならいいか。


「午前中の特訓で、ある程度自分の課題は見えて来ただろ。午後はそこを重点的に、カバー出来る様な特訓をしていこうな。それじゃあ、簡単な昼食を用意してあるから食って体力つけようか」

『はーい』


 そうして、俺達は全員でお昼ご飯のおにぎりを食べていた。

 モグモグと【リトル・ブレイブ戦隊】はどんどんおにぎりを食べていく。

 多分午前中だけで、とても体力を使ったんだろうな……栄養取れよー。


「しっかし、やはり【ジャスティス戦隊】の皆さんは強いですね!!」

「ッチ、悔しいがその通りだな……」


 おにぎりを食べながら、ソードとシールドがそう呟く。

 いやー、ちょっと照れるな。そこまで手放しに褒められると。


「皆さん強かったですよね?」

「かわいい顔して、ピンクさんも強かったし」

「ねえねえ。私思ったんだけどさ……」


「──“【ジャスティス戦隊】の中で、誰が一番強いの?”」


 その発言に、ピクリと俺達は反応し……シーンと静かになる。


「……え? 何この空気?」


 それを言った、ブーメランの少女はオロオロと狼狽始めていた。

 他のメンバーも同様だ。


「……私たちの中で、誰が一番強いか、ですって?」

「ん。そんなの、決まってる」

「そうだよー」

「そうッス」

「まあ、そうだな」


 俺達は、口々にそう言った。

 そうして次の瞬間には、各々当たり前の事実を喋りだす。そう……


「“レッド”先輩ッス!!」

「“グリーン”だよー!」

「“レッド”と“グリーン”ね」

「ん。“レッド”」

「“グリーン”さんだな」


 ……おや? 


「バラバラのようでいて、なんか偏ってません!?」

「レッドさんとシブオジのグリーンさんで3票ずつ!?」

「おい、というかブルーさん、あの人両方に票入れてるんだけど……」


 この結果に【リトル・ブレイブ戦隊】は戸惑いの表情を浮かべていた。

 というか、こっちとしても意外だった。


「ちょっとピンクちゃん、何言ってるッスかー? レッド先輩がリーダーなんだし、当然一番強いっスよ」

「えー!? グリーンだって、元々隊長経験者だよー!? チーム戦ならともかく、一対一ならグリーンが上だよー!」

「私はどっちもどっちね。一対一が限定なら、どっちが勝ってもおかしくないもの」


 こっちの女子3人はそんな事を言っていた。

 というか、予想外のようだがブルーが俺一択というわけではないらしい。


「ん、レッドが上」

「いや、グリーンさんでしょ」


 そうして、逆に俺とグリーンさんは互いに持ち上げてる、と。むう、まさかの結果に。


「えっと……これ、結局どっちが強いんですか?」


「レッド先輩っス!!」

「グリーンだよ!!」


 ブーメランの少女の言葉に、強く言い返すのがイエローとピンクだった。

 あーあー、叫ぶなよもうー。

 思ったより二人がヒートアップしている。なんで当人差し置いてそっちが熱くなってるんだ。


「……仕方ない」


 俺はそう呟いて、グリーンさんに向き合った。


「グリーンさん。──“久しぶりに、一対一の模擬戦やりませんか?”」

「ん、良いね」


 そうグリーンさんは、ニッと笑みを浮かべてくれていた。


「え!? 【ジャスティス戦隊】のレッドさんとグリーンさんの模擬戦!?」

「シブオジの戦いが見れるの!?」


 俺たちの会話に、酷く食いつく【リトル・ブレイブ戦隊】。

 むう、今日は君たちの特訓があるから別の日に改めてやるつもりだったけど……まあ、そんなに目をキラキラにさらちゃったらなあ。

 まあ、元々休憩時間長めにとるつもりだったし、丁度いいか。


「それじゃあ、お昼ご飯食べた後は予定をちょっと変更して、俺とグリーンさんの模擬戦の見学な」

「ん。よく見て学んでね」

『は、はい!!』


「おお! レッド先輩頑張ってっス!!」

「グリーン、頑張ってー!!」

「男の子って、こういうの好きよねー」


 そうして、盛り上がっている中、お昼休憩の終了を迎えた。

 午後の特訓の開始時間、俺とグリーンさんは向き合う事になる──




 ★佐藤聖夜さとうせいや


 23歳

 175cm

 黒髪

 中立・善

 男


 主人公

【ジャスティス戦隊】のレッド。


 午前中の特訓はつつがなく終わった。

 育て甲斐のある後輩がやって来て、つい張り切ってしまっていた。

 グリーンとの久しぶりの模擬戦を楽しみにしている。



 ★天野涙あまのるい


 22歳

 168cm

 青髪

 混沌・善

 女


【ジャスティス戦隊】のブルー。

 兼、【カオス・ワールド】の幹部、“コバルト・ティアー”。


 シールドの後輩をボッコボコにした。スッキリ。

 意外にも、レッドとグリーンに現時点での差は無いと評価している。

 レッドの戦力評価を読み違える事はあれど、戦力評価自体は好感度に関係なく公平にするタイプ。



 ★空雲雷子そらくもらいこ

 21歳

 167cm

 黄髪

 秩序・善


【ジャスティス戦隊】のイエロー。

 レッドの後輩。


 爆弾の少年を分からせた。

 レッドが一番最強と信じている。



 ★大地鋼だいちはがね


 34歳

 184cm

 緑髪

 秩序・善

 男


【ジャスティス戦隊】のグリーン。


 精密射撃の精度はトップクラス。

 ブーメランの少女を分からせた。

 レッドとの久しぶりの模擬戦を楽しみにしている。



 ★大地心だいちこころ


 10歳

 130cm

 ピンク髪

 秩序・善

 女


【ジャスティス戦隊】のピンク。


 アローの少女を可愛がった。

 グリーンが最強と信じている。



 ★リトル・ブレイブ戦隊


 小さな勇気がテーマの戦隊。

 それぞれが剣、弓、爆弾、ブーメラン、盾を武器として持っており、武器名がヒーロー名になっている戦隊。

 リーダーが特に【ジャスティス戦隊】のファンのようだ。


 ソード。リーダー。レッドの特訓に追いついている。終わる頃には、大分レベルアップしてるだろう

 アロー。可愛がるつもりが、可愛がられた少女。ちょっとトラウマ気味になったが、それはそれで堪らない感じらしい。

 ボマー。何一つ攻撃が通らず、自分に全て投げ返された。自分の戦術の幅の狭さを痛感中。

 ブーメラン。シブオジサイコーだった。あそこまでボッコボコだと、逆に尊敬するらしい。

 シールド。ブルーに分からされた。タンクという役割を今一度見つめ直そうと思っている。

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