『いやあ、ここまで言っておいてなんだが、改めてこう振り返るとティアー巨悪だな。この説明だとラスボス中のラスボスと言ってもいいんじゃないか?』
:正直、割と真面目に今直ぐ捕まえた方がいいんじゃないかって思ってる。
ククク、と画面の奥でカイザーがおかしいように笑う。
俺自身、こんなことをいきなり聞かされてブルーに対してどうすればいいかかなり混乱している。
:いくら新世代、旧世代って分けても、ヴィランはヴィランだ。被害の規模の差異はあれど、一般人にとってはどっちも恐怖の対象だ。
……そうだ。一見マシな存在のように思えても、新世代もヒーローの仕事を邪魔していることには変わりない。
人的被害が少ないと言っても、ヒーローの処理能力をパンクさせているという意味では、立派な公務執行妨害のようなものだ。
そもそも新世代、旧世代という呼び方も、一般人にはあまり浸透していない。
そんな差異があると言っても、一般人からするとそんなことは知らん、になるだろう。
:……はっきり言って、どっちも捕まえる対象には変わりない。両方ヒーローに片付けられても文句は言えないと思ってる。
……それは、もちろんブルーに対しても。
そろそろ真面目に覚悟決めないとダメか……? そう冷や汗を掻いていると……
『……ふむ、流石に悪しきように言いすぎてしまったかな? 一応悪の組織の幹部だから箔をつけようと話してみたが……まあここまで言ったことは事実は事実だ。……だが、ティアーのやったことが変わるわけではないが、一応少しは擁護しておこうか』
:……?
そう前置きをして、カイザーは新しい話題に入り出す。
表情をさっきまでの楽しそうな顔から、鋭い目つきに変えて。
『……【ダーク・ガジェット】が現れる前、旧世代は各々で開発した兵器で戦っていた、とは話したな? では、そんな便利な道具が現れるまで、旧世代は【ライト・ガジェット】を持つヒーローにどうやって戦っていたと思う?』
:……刃物、拳銃あたりか?
『それもある、ありきたりな装備だな。それ以外に……』
──剣、爆弾、ミサイル
──肉体改造、ドーピング、サイボーグ化
──動物、獣……
『……と、パッと思いつくのはこの辺りか。他にもいろいろあるだろうが、大体は強力な武器と言えるものから、肉体そのものの改造、さては人間以外の動物の利用。こんなものを各組織で開発したり、一部で共有したりしていた』
しかし……と、前置きされる。
『結局のところ、性能はそれなり止まりが大半だった。ヒーロー、ヴィランが現れ始めた100年前から、60年間はある程度拮抗していたらしい。互いに歯痒い思いをしていただろうな。……そんな時、ヴィラン側で“ある方法”が共有され始める』
ある方法?
……【ダーク・ガジェット】は十数年前からだから、まだ早すぎる。
100年前から60年経って、大体40年前と言ったら……
『【ライト・ガジェット】は強力だ。その強大な兵器に対して、ヴィラン側は対策を考案しなければならなかった。その方法が、組織の兵器の“ブースト”だった』
:ブースト?
『──それは、“人”そのものを素材にして、兵器にすることさ』
:っ!?
『……知っているか? 人って素材としては、かなり優秀らしいぞ? ちょっとその“命”を消費するだけで、“当時としては手軽に、高火力な兵器を作れた”らしい。それこそ、【ライト・ガジェット】に対抗出来る程の』
そ、れは……!?
……到底、信じられない、許してはいけない言葉が出てきてしまった。流石に、動揺した。
そんな俺を画面の奥のカイザーには分からず、話が続けられる。
『この時代、特に名をあげたヴィラン組織がある。【ピュア・ブラッド】、【キメラ・ビースト】、【マッド・キングダム】。例で上げると、この3つか』
……聞いたことは、ある。
その3つは、ヒーロー側で特に許してはいけない組織の名前に入っている。
だが、詳細は知らない。……ヒーロー戦隊ランキングによって、閲覧制限がされていた。
『この3つはそれぞれ……
【ピュア・ブラッド】
人の“生き血”をエネルギー素材とすることで、ドーピング効果のある液体、【ブラッド・フォース】を開発。人に投与することで、人体のリミッターを外した行動が可能
【キメラ・ビースト】
人と、動物の遺伝子を組み合わせることで、獣の特徴を持った人間を開発。……他にも、怪人、怪獣などという存在も作り出した。
【マッド・キングダム】
人を素材に、サイボーグ等を作成し兵隊として運用。機械の体に、人の脳細胞をCPUとして使用してロボット単体では成しえない細かい作業、状況判断能力を兼ね備えることが出来た。
……とまあ、こんなあたりか』
さて、ここで質問だが。と、カイザーは言う。
『素材に人間を使えば、お手軽に強化兵器を作れる。ここまで分かったのは良い。……では、肝心の人間はどこから調達してきたと思う? 自分のところの部下を使うか? まさか、そんなもったいない事普通しないだろう。他の場所にゴロゴロ転がっているしな』
:まさか……!?
『──そうだ。一般人が拐われて、その素材となった!! それも大量にな!!』
……すぐに予想はついた。
しかし、これは……!!
『知ってるか? 40年前から二十数年間、地図に無いような小さな村や町から人間がいなくなることが多かった! 果ては、都市丸々一つ人口が行方不明になる事例すらあった!! “ヴィランが支配した場所でだ!!” 分かるか、ヴィラン達に全員素材にされたんだよ!!』
激しい口調で、カイザーがそう言い放つ。
目を見開き、まるで頭に血が上ったような表情で。
『今の時代の教科書には、あまりにも酷すぎて到底載せられず大半が削除された! 人が素材にされているなど!! いくつかの小さい村町の事は今でも隠されたままだ!! 流石に都市レベルは隠せなかったようだが、この所業を最低最悪の事態として歴史に爪痕を残した!! ああ、文字通り悪、文字通りヴィランだ!! この行為に比べたら、我の【カオス・ワールド】なんて“にわか”なんて卑下されてもおかしくないだろうさ!!』
ティーカップをガシャンと叩きつけながら、カイザーはそう言い放つ。
たまたま割れはしなかったが、そうなってもおかしくは無かった。
『……この当時の悪の組織達の理念がなんだと思う? ……“人類を、神の手から解放する”だとさ。……なるほど、本当のヴィランは自分のことをヴィランなんて言わないらしい。到底、一般人にも……我にも、その意味が理解出来ない言い分だった』
:…………っ
“人類を、神の手から解放する”。
なるほど、確かに謎の言い分だ。
敢えて考察するならば……まさか、ヒーローの【ライト・ガジェット】のことか?
神から授けられたと言われるそれを、消滅させることが目的なのか?
つまり、“ヒーローそのものの排除?”
……あくまで俺の予想だ。正しいかどうかなんて分からない。
この程度のこと、カイザーも既に考えていてもおかしく無かった。
『……この頃の時代を、“暗黒の時代”と呼ばれることもあった。無辜の一般人が、本気でヴィランを恐れる時代、いつ自分の命が“使われる”か、恐怖に支配された時代だ』
:…………
『そんな時代になれば、市民の声は何処に向かうと思う? ……ヒーローだ。その時代、まさにヒーローが最も心の底から求められていた時代でもある。“早く悪の組織を殲滅してくれ”、“私の大切な人の仇を取って”。そんな大量の声がヒーロー連盟に届いていた』
:……でも、それは。
『……そうだな。“ヒーローの数には限りがある”。そして、【ライト・ガジェット】が数を増やす事は無かった。今現代で我が分かってる中で、ヒーロー5人戦隊が基本で、大体1000程の戦隊数があるとすると、大体5000個程度か? 【ライト・ガジェット】の数は。……こうして数えると、一見多いように思えるが……“世界規模で考えると、心許ない数値”でもあるな』
:……ああ。
まあ、私の知らないガジェットもあるかもしれないが、ともカイザーは言っていた。
しかし、大体表向きの数はその程度で合っているだろう。ヒーロー連盟が隠したりしていなければ、だが。
『ヒーロー希望者も殺到していた時代でもある。“俺もヒーローになりたい!” “ヴィランを自分の手で倒したい!” “もう友達が攫われるのは嫌だ!!” とね。……いくつかの人員は、“スペア”にはなり得ただろう。しかし、需要に対して到底応えられる数値では無かった』
そもそも、同時活動できるヒーローの数が増えたわけでは無いしな。
そうカイザーは続けた。
『よって、【ライト・ガジェット】に選ばれなかった人員が大量に出た時期でもある。民衆の不満はつもりに積もったさ。“何故我々を選んでくれない!” “こんなにも求めているのに!!” “神は私たちを見放したのか!” ……みんな、欲しかったさ。自分の身を守るための力が』
:…………
そうだ。いくら求めても、ヒーローは才能の世界。それは変わらない。
【ライト・ガジェット】に選ばれない限り、ヴィランを倒す力は得られない……
『──そして十数年前、そんな彼らにある道具が配られた』
『──当初、【レプリカ・ガジェット】と呼ばれたそれは、“使い手を一切選ばない兵器”。力を求める民衆に対して、その要求にこれ以上なく応えてくれた存在だった』
:──は?
……そこで、俺はふと思い出す。
そう言えば、元々この話題はカイザーがティアーを擁護するか、という出だしで話し始めたものだった。
……ちょっと待て。
てっきり“暗黒の時代”よりは新世代の方がマシだろう、という意味で話を振ったのかと思ったけど。
『身を守れる道具を手に入れた民衆は、大層喜んだ。そして、それを使って自分たちで新しい組織を作るようになる。ヒーローに頼らずとも、自衛する団体。これを、なんて呼ぶんだったかな? ……そう、“ヴィジランテ”と』
:待て、待って。
話が、違う。違って、くる。
【ダーク・ガジェット】を、悪の組織にティアーがばら撒いた、と言っていなかったか?
名称が、違う。配った相手も、違う。
力を求めた、自衛の手段を求めた民衆に対してだ。
これじゃあ、これじゃあまるで……
『……ここまで言えば、もう分かるだろう? ……ああ、そうさ。ティアーによって生まれたのはヴィジランテ』
『──新世代ヴィランなんて、本来生まれるはずが無かったんだ』
☆★☆
「ちょっと、何何何!?」
「嘘っスよね!? こんな街中で!?」
薄暗くなった店内で、涙るいと雷子らいこは混乱する。
ヒーローとは言え、ランキング50位以下の戦隊のメンバーだ。
こんな珍しい状況にぶち当たってしまって、冷静になれなくてもおかしく無かった。
「や、やべえ! 早く逃げねえと!」
「み、みなさん落ち着いてください!」
「お母さん……」
「だ、大丈夫。大丈夫だからね……」
「店内が混乱してきたわね……」
「どうするっスか、聖夜先輩……あれ? 聖夜先輩?」
ふと、雷子らいこがあたりを見渡すと、聖夜の姿が無い、ということに気づいた。
そのことに疑問を思っていると……
バアああんッ! と、店の扉が勢いよく開かれた!
「手を上げろ!! 俺は【ガリオ・リベンジャー】のメンバーだ! 全員大人し」
「“レッド・エッジ!!”」
「ごばあ!?」
「「……は?」」
……店に突入した、【ガリオ・リベンジャー】の一人を俺、レッドが速攻で仕留めた。
俺はすかさず扉の外に視線を向け、他にメンバーが来ていないかどうか確認して……静かに扉を閉めた。
「ふう……よし、コイツ以外誰も来ていなかったか。見られなくて良かった」
「いや、ちょ……せい、レッド!?」
「いやなんでレッド先輩に!? いつの間に変身を!?」
いつの間にって、さっき暗くなったときに。
テーブルの下に潜り込んで、こっそり変身したのが真相だった。
その後扉付近に移動して、ヴィランが入ってきたらすぐ対処出来る様にしていたんだけど……思ったより早く入ってきたので、正直ビビった。いやー、焦ったー。
「ひ、ヒーローだ!? ヒーローがいたぞ!?」
「こんなすぐ!? 店の中にいたの!?」
「ママー! ヒーローだ!!」
「ええ、そうね!!」
「シーっ……全員静かにしてください」
俺の登場に、店の中が騒ぎ出すが、俺はそれを静かにするよう注意する。
俺がいたから安心して声を出してしまう気もわかるが……
まだ敵の規模が分かっていない、今は建物内にヒーローがいたという事はバラさない方が賢明だ。
だからこれは必要な事で……
「……あれ? よく見たらコイツ、【ジャスティス戦隊】のレッドじゃね?」
「え? あのパッとしない地味戦隊の?」
「ダサいっていうあれ?」
「暗くてよく分からなかったけど、確かにデザインシンプルすぎる」
「80位台じゃあんまり頼りにならなくねー?」
「でもこの間、レッド大暴れしてなかった?」
「あんたらガチで静かにしてくれない? 頼むから」
いろんな意味で。潜伏的にも、悪口的にも。
俺はヘルメットの中で額に怒りマーク作りながらそう言った。
「ちょ、ちょっとレッド! ちょっとこっち来て!」
そうしていると、誰かに腕を引っ張られた。涙るい達だった。
涙るいと雷子らいこに耳元でボソボソと喋られる。
「ちょっとレッド!? なんで休日なのに、【レッド・ガジェット】持ってきてるの!? あれ基本的に、“持ち出し禁止”されて無かったっけ!?」
「そうっス! よっぽどのことが無い限り、本部にしまっておくルールだったっスよね!? 直帰の時も、特別持ち出し申請書出さなくちゃいけなくて、グリーン先輩がそう決めたって……」
「いや……そのグリーンに、“ん。レッド、お前運なくてトラブルに遭いやすいから、ちゃんと毎回申請出して常に持ち歩いておいて”って、言われて……」
「グリーン(あいつ)!? ルール提案したの自分なのに、前から思ってたけどレッドに対していつも甘く無いかしら!?」
「いや、ちょっと待つっス! これむしろ、毎回申請出す余計な手間着かされてるから、むしろ嫌がらせでは?」
「それよ!?」
「それよ、じゃねえんだけど。……多分」
多分そういう嫌がらせ目的じゃ無いと思いたい。うん、多分。
グリーンが何考えているか、俺でも時々よく分からない時あるけど。
とにかく、今回はそのグリーンの指摘のおかげで、俺は今唯一戦える力を持っていた。
今はこれを最大限活かそう。
「それで、どうするっスかレッド先輩? やっぱり、この建物乗っ取ったアイツラ、【ガリオ・リベンジャー】ってやつを、倒しに行くっスか?」
「……いや、それは俺の役目じゃ無いな。これは明らかに、ヒーロー戦隊ランキング最低50位以上の案件だ。いざって時はまだしも、まだ見つかっていない今は俺が出しゃばるべきじゃ無い」
「……じゃあ、どうするっスか? このまま見ているだけっスか、ヒーローが?」
「──“俺の役目は、建物内の一般人を全員無事に逃す事”。これが今回の勝利条件だ」
「っ!!」
「ヴィラン自体は、後からくるだろう上位ヒーロー戦隊に任せる。俺たちは、その時に邪魔にならないよう、人質になり得る一般人の無事を先に確保する事だ」
「……そうっスよね。すみません、ちょっと熱くなっちゃってたっス」
俺の言葉に冷静になったのか、雷子らいこがそう謝ってくる。
まあ、気持ちは分かる。歯痒いだろうが、俺は俺に出来ることをするだけだ。
「でも、結局どうするのレッド? この店の人たちだけでも、一緒に外に出るの?」
「それはやるけど……その前に、最低限やらなきゃいけないことがある」
「やらなきゃいけない事?」
「ああ。雷子らいこ、ちょっと良いか? 俺は最低限、この建物の中で“ある部屋”に向かわなきゃいけない。そこにたどり着いたらケータイに合図を入れるから、その後店内の一般人を引き連れて脱出してくれるか? あと、気絶しているそいつの監視も」
「りょ、了解っスけど……」
「あれ、レッド? 私は?」
「お前は俺と一緒に行動してほしい。……行けるか?」
「っ!! まっかせて!! 頼りになさい!」
「ちょ、ちょっと待つっス!? いくらサポートが得意な涙るい先輩と言っても、ガジェット今持ってないんスよね!? なんのために同行させるか分からないっスけど、危険すぎでは!?」
「いや……涙るいなら、ガジェットなくてもある程度戦えそうだな、と思って……」
「いやどんな判断っスか!?」
「あれ? 私もしかして、ゴリラって思われてる?」
そう思ってないから安心しろ、俺はそう言ってプルプル震えている涙るいを宥めていた。
というか、本音を言うと“涙るい本気で戦えるだろ。どうせ隠し持ってるであろうヴィラン側の装備で”。
……そこんところを無警戒でいるほど、涙るいという女が甘く無いと俺は信じていた。
「実際、真面目に作戦的に一人付いてきて欲しいから、涙るいが適任なんだよ。だから雷子らいこ、お前が中心となってこの部屋の一般人の脱出担当してくれ。……頼んだぞ」
「……ずるいっスよ、その言い方。分かったっス、二人とも気をつけてくるっスよ」
「ええ。……ところでレッド? “ある部屋”ってどこに行くの?」
「決まってるだろ? この大きなショッピングモールに限らず、大きな建物なら必ずあるであろう部屋が」
俺はそう言って、店の扉を少しだけ開けてショッピングモール内の遠くを見渡す。
俺の視力じゃよく見えないが、確かにそこにあるであろう、あるものを見る。
その下にはこう書かれていた。
『防犯カメラ作動中』
★
23歳
175cm
黒髪
中立・善
男
主人公
【ジャスティス戦隊】のレッド。
「アンブッシュは基本。古事記にもそう書いてある」
戦隊として配信されている時、実は一応戦いの見栄えなどは意識している。余裕ある時は。
映像配信されていない時? 躊躇なく不意打ちしますが何か?
★
22歳
168cm
青髪
混沌・善
女
【ジャスティス戦隊】のブルー。
兼、【カオス・ワールド】の幹部、“コバルト・ティアー”。
「ふふん、やっぱりレッドには私がいないとダメね♪」
今回レッドに頼られてご満悦。最近低かった自己肯定感が一気に上がっていった。
……それは、救いになる筈だった。
“選ばれなかった者達”にとって、救いの希望となる“レプリカ”の筈だった。
まるで神様の代わりのように、求める声に応えただけの筈だったのに──
★
21歳
167cm
黄髪
秩序・善
【ジャスティス戦隊】のイエロー。
レッドの後輩。
「二人とも、気をつけてくださいっスね……」
店内の一般人避難の誘導係に。
レッドに付いていけなくてとても残念。二人のことをとても心配している。
今回のヴィランは、いろんな意味で絶許っスね。と思っている。
★
34歳
184cm
緑髪
秩序・善
男
【ジャスティス戦隊】のグリーン。
最年長、レッド以外の男性。
「ん。レッドはいっつもトラブルに遭う……」
今回未登場。
【ジャスティス戦隊】のガジェットの持ち出し禁止を、上官に申請した張本人。
そして、レッドには常に持ち歩く様に毎回申請書を書く様に言いつけた張本人でもある。
ダブルスタンダード。
この持ち出し禁止ルールには、聖夜の存在が大きく関わっているらしい。
★カイザー
22歳
172cm
紫髪
混沌・悪
【カオス・ワールド】のボス。
ティアーの幼馴染。
「……しゃべりすぎて、喉が乾いたな」
話が盛り上がってきて、つい喋りすぎてしまっていた。
今の時点で折り返しか、三分の一くらいか?
まだまだしゃべり足りないらしい。
この後一時的に席を外して、ティーポットにポカリを追加してきた。
親友の功罪を、笑って話す。笑い話にしてやる。
──けれど、何も知らない奴が今彼女をあざ笑う事は許さない。