『……ふむ? ティアーと出会ったときの話か?』
:世界征服のきっかけがティアーだってことは以前聞いたけど、実際どういう出会いだったのか気になって
ここ最近の恒例となったカイザーの配信での会話で、思い切って以前から気になっていたことを質問した。
ティアー自身、アイツの配信でカイザーとは小さい頃に出会ったと言っていたが……
『ふむ? 別にそこまで特別な出会い方ではなかったぞ? 確か、我が小学生くらいの頃か……まだ何処にでもいる、ありふれた一般人だった頃だ。その頃はよく公園で遊んでいたな』
懐かしむようにカイザーはポツリポツリと語り出す。
カイザー自身、特別な存在などではなく、元はただの普通の人間だったと呟いていく。
『公園のガキ大将を倒したり、遊具を占領する他校の高学年を倒したり、イジメを行っている中学生を倒したりと、まあありきたりな生活をしていたな』
:うんそれは全然普通じゃないな。倒したりを3連打しているなあ!
『別に特別な出身や血筋じゃないぞ?』
:行動が普通じゃねえ
そんな小学生普通いねえ。俺はそうツッコンだ。
やっぱりちょっと変わったやつだろカイザー。ありきたりで済まされないワンパク具合だぞ。
『我は元々、戦隊モノをみるのが大好きでな。──まあ、正確には戦隊と敵対するヴィランに憧れていた、というのが本音だが』
:その頃から、悪の組織に憧れていたのか
『ああ、特に組織のボスがな。特定の組織のファンというわけではないが、戦隊のヒーロー達に堂々と踏ん反り返って立ち向かう姿勢が、憧れたものだ。だから、悪の親玉ごっこはよくやっていたさ。周りから見たら、奇怪な子供だったろうな。わざわざヴィランの役をやりたいというのだから……まあ、ヒーロー役をした子達はごっこ中物理的に全員返り討ちにしてたが』
:おい
『そんなことをやってたら、私の周りから友達がどんどんいなくなってなあ? ちゃんとヴィランとして倒れろだと。ハハ、御免被る、と当時の私は頑なでなあ。いやあ、あの頃は若かった』
まあ、後悔はしてないが。と、ティーカップでポカリを飲んでいる。
こいつ、幼少期の頃からはちゃめちゃなやつじゃねーか。
まあ、世界征服を目指しているボスならそれくらいやってもおかしくない、と言えるが……
しかし、ある意味特別な事や経歴ではない、という言い訳も納得出来る内容でしかなかった。
『そんな頃、ティアーと出会ってな』
:っ!!
『「あなたには才能があるわ!! 力を上げるから、一緒に悪の組織を立ち上げてみない?」っと言って来たのだ。笑うだろう? 当時の我と同じ年齢の子供が、本物の【ダーク・ガジェット】を持って誘って来たのだ』
:十数年前……!! ちょっと待って、その時期の【ダーク・ガジェット】って確か……
『ふむ。貴様も知っておろう? 【ダーク・ガジェット】が爆発的に流行り出したのはここ“十数年”だ。それまでは各自の組織で作成した武器で戦っていたヴィラン共が、“画一的な共通武器を手に入れ始めた時期”でもある』
……実は、ヒーローとヴィランの歴史は元からそれほど長いわけではない。
ヒーロー、ヴィランの概念が出来たのは、せいぜい“100年程前”からだ。
その時期から、悪の組織という存在が現れ始め、対抗して正義のヒーローが現れ始めた。
人類の歴史から考えると、ごく浅い歴史と言えるだろう。
しかしその中でも。【ダーク・ガジェット】という存在は、とても新しいモノだったと言える。
『【ライト・ガジェット】は昔からあるらしいがな。それを使ってヒーロー達はヴィラン共に有利に戦い、勝利を納め続けていた。そんな世界に、【ダーク・ガジェット】などどいう使い手を選ばない武器が広がり始めたんだ。そんなものばら撒けばどうなると思う? 当然ヴィラン人口が一気に増える増える』
:その一つを、当時のティアーは持っていたってことか?
『いや? 実を言うと、我がティアーと出会った時期は、まだそれほど【ダーク・ガジェット】が広がっていなかった時期だ。つまり、当時としては最新すぎる武器を子供が持ってた形だな』
:っ!! そんな時期に、どうやって……
『……更に言うとな。──【カオス・ワールド】の【ダーク・ガジェット】は、“ある一人の手で量産化”されている』
:っ!!?
『ああいや、正確には量産化のシステムを作り上げたと言う意味ではあるが……クックック、内部構造を自力で解析したのか。それとも、“元から構造を知っていた”のかは分からないが。彼女は出会った時から私の想像を超えていたよ。コバルトを名乗っているのに、ある意味私以上に真っ黒だな』
:ティアーが……っ!?
『おかげで、ウチの組織の収入は安定だよ。何せ購入希望者が大量だ。いやあ、組織の資金が潤う潤う。ウチは悪の組織だが、普通に会社としてやっていけるな? 世界規模になれるのも、当然だと思わないか?』
:当然どころじゃねえ!? お前らがばら撒いたから、ヴィラン人口一気に増えたってことじゃねーか!?
『量産自体は他の組織もやっているぞ? 「その為に構造単純化させたんだけど、苦労したわ〜」とか、ティアーが言ってたな』
:もう突っ込みどころが多すぎて、どこから指摘したらいいか分かんねえええええ!!
おいおいおい!? 思った以上にティアーやらかしてんじゃねえか!?
【ダーク・ガジェット】が流行る前から持ってただけでなく、それを量産!? んで販売!?
しかも構造単純化させたって……これ開発関係者ってことじゃねーのか!?
事実上の近年の歴史の黒幕じゃねーか!?
いや、後から改良しただけかもしれねーけど! そうだとしてもこれ!
え、ちょっ……!? これガチでブルー捕まえないとダメなんじゃねーの!?
いや、今更遅え!? もう世界規模で広がった以上、ブルー1人捕まえた所でどうしようもねええええ!!
いや、開発関係者者だからこそ、捕まえてその知識を……あー、いや、構造単純化させたってことは、ブルーに聞いても大して情報得られない?
ブルーが本当に全部作ったとはまだ確定していないし?
ヒーロー連盟が、捕まえたヴィラン達の【ダーク・ガジェット】を確実に回収しろって命じて、実際集めて解析してるらしいけど……特に対策らしい対策も発表されてないし。
これ、構造単純だから逆に対策しづらいってこと? いやもう、いろいろめんどくせええええ!!!
これもう直接聞かないとダメだ!? 今度ティアーの配信の時にコメントで聞いて情報引き出さねええとダメそう!!
:つーかこれ、カイザー以上にティアー黒幕じゃねーか!!
『ふむ、そうとも言うな。その視点で言うと【カオス・ワールド】の真の裏ボスはティアーと言っても過言では無いな。いやはや、お飾りボスと言われても文句は言えんなこれでは』
はっはっは、とカイザーは気にしてないように笑う。
こいつ、以前から思ってたけど客観的視点が強いなおい!
ティアーに利用されてる事全部分かった上で、思いっきり組織運営を楽しんでやがる!!
『ふむ。とまあ、この一人の女の画策によって、近年の歴史が大幅に作り替えられたと言える。【ダーク・ガジェット】を使う組織が大量に現れ、“新世代ヴィラン組織”が多く作られた時代だな』
:っ。新世代……
『【ダーク・ガジェット】の広まりによって作られた、新たな悪の組織達の世代……逆に、これ以前からあった組織を、“旧世代”と呼ばれている。君も、もしかしたら聞いたことがあるかもしれんな』
……旧世代と、新世代。
聞いたことはある。
とある時代の境目を元に、作られた悪の組織の時代を分けた言い方だと。
そして……
『旧世代曰く、我々【カオス・ワールド】を含む新世代の事をこう呼ぶこともあるらしい。別名、“にわか世代”とも』
:……にわか?
『曰く、「あんなのヴィランでも無い」「我々こそが真の悪だ」「同じ悪の組織と呼ばれるのもおこがましい」とかなんとか。まあ、ある意味言いたいことは理解出来る。【ダーク・ガジェット】が現れる前から活動していた組織達だ。近年簡単に始めた“気楽なヴィラン”より、元々本気で世界を滅茶苦茶にしようと画策していた“真の悪”だ』
目を細めて、カイザーがそう言葉を話す。
……旧世代。そう、古くからあるこの組織達は、“他の組織より危険度が遥かに違う”と言われている。
基本的に、ヒーロー戦隊ランキング上位50以上でないと対応は出来ないとされている。
『向こうが我々をにわか世代と呼ぶように、我々もまた旧世代の彼らのことをこう呼んでいる。──ヴィランでもなんでもない、ただの“テロリスト共”、とな』
:……それ聞くと、あんたらめっちゃ仲が悪いな
『そうだな。新世代が大量に現れた結果、旧世代の活動が急激に縮小されている側面もある。なぜなら以前話した通り、ヴィラン同士の連携など期待出来ないから。目的上、敵の敵は敵の場合が多いからだ。支配領域の取り合いになるから、ヴィラン組織同士の潰し合いが多くなる』
ヴィラン組織同士の潰し合い。そうなると……
『そうなると、当然総力が強い組織が勝つに決まっている。そして、新世代は殆ど【ダーク・ガジェット】と言う簡単に手に入る力を大量に用意している。これに勝つ為には、旧世代も【ダーク・ガジェット】を用意するか……プライドに意地を張って、自分達で強力な独自の兵器を作るしかない』
そこまで話して、カイザーはティーカップを置いた。
そして、知ってるか? とこちらに問いかけてくる。
『ティアーはヴィランが大好きだと公言しているが……旧世代はテロリストで大っ嫌いらしいぞ?』
☆★☆
「──お待たせいたしました! 限定メニューの、季節ジャンボパフェです!」
「わー! ありがとうございまーす♪」
目の前でブルー、いや涙(るい)が注文して届いた品を受け取って、笑顔で店員さんに返事していた。
この間、俺がブルーを思いっきり泣かしてしまったせいで、慰める為に一緒に出かけて来いとイエローに指摘されて、一緒に街中のデパートにお出かけを繰り出すことになった。
そしてこのレストランに入り、俺の奢りでデザートを頼んでいる最中と言う所だった。
「聖夜、ゴチになりまーす♪」
「いや、サイズデカくねえ? お前一人で食いきれねえだろ」
「こちら、コーヒーです。どうぞ!」
「あ。ありがとうございます」
涙(るい)にツッコミを入れながら、俺は頼んでいたコーヒーを受け取る。
俺の注文はこれだけだった。既にお昼ご飯は食べていたし。
「ふっふっふ、心配ご無用! ちゃーんと食べ切れる算段は付いてるわ」
「ほーん……」
「と言うわけで聖夜、はいアーン♪」
「頂きます。モグリっ」
「いや、全っ然照れてない!? 嘘でしょ、ここはもうちょっと動揺してくれる場面じゃないの!?」
「わりぃ、俺貰えるものは貰っとく主義だから」
「それと照れない事に関係ある!? 以前だったらもうちょっとなんかこう、反応あったでしょ!?」
悪い、慣れた。と言うか、涙(るい)がティアーだと判明した時点でいろいろ吹っ切れてる。
以前だったら素直に照れたり出来たんだろうけどなー……動揺するより、余計な思考のせいで照れに使うリソースが無いって感覚。
具体的に言うと、“これハニトラの一種なんだろうか”……みたいな思考。多分こいつそんな事考えてなさそうな気もするけど。
それと……
──コイツが、今の時代を作った女、ねえ……
俺は、この間のカイザーとの会話で得た情報を振り返りながら、そんなことを思っていた。
「もう! その為に、わざわざジャンボパフェなんて頼んだのに……! 食べ切れないから少し食べてー、って言うアーン作戦が!」
「堂々と言ったなコイツ。スプーン2つ頼まなくてよかったのかよ」
「それだとアーンができないじゃない! 何言ってるのよ聖夜」
「いや、アーンとか言う前に、時間かけるとパフェ溶けるんじゃねえのって。ほら、上のソフトクリームとか」
「へ? あ、やば垂れてきちゃってる!!」
そう指摘すると、涙(るい)は慌ててスプーンで垂れそうなソフトクリーム部分を掬う。
そして、それを口元に持っていこうとして……
「……聖夜が口付けたスプーン……」
「自爆してんじゃねーか」
「た、食べる! 食べるわよ、パクっ。あ、おいしっ♪」
顔を赤くしながらスプーンを口に含んで、直後味の美味しさでほころんでいる涙(るい)だった。
行き当たりばったりだなコイツ。
やっぱ時代を作った女と言われても、実感出来ねー。これが演技だったら、全力で脱帽だぞ俺……
「ふ、ふーん! 聖夜、もう一回アーン!! そっちも私が使った後のスプーンで食べなさい!」
「わりい、俺次はコーヒーについていたスプーンで食べるわ。パクリっ」
「あーっ?! 聖夜、乙女心そんなに弄んで楽しいっ!?」
「スッゲー楽しい♪」
「この鬼畜やろう!?」
「そうッス!! 聖夜先輩、乙女心弄ぶのは止めてあげるッス!! 今日慰めるためのデートっスよね!?」
「お前はなんでここにいるんだよ/いるのよ!?」
俺が涙(るい)をからかって遊んでいたら、隣のテーブル席からイエロー……雷子(らいこ)がいつもの大きい声で声をかけてきていた。
いや、マジでなんでいるの?
「そりゃあ、聖夜先輩が涙(るい)先輩にちゃんと慰めてあげようとしているか監視っス!! なのに聖夜先輩、さっきから弄んでばかりじゃ無いっスか!? 謝罪する気あります!?」
「これでも涙(るい)のこと楽しませてあげようとはしてるよ。それより雷子(らいこ)、お前それ監視って言うかデバガメじゃね?」
「私のことはいいんっス!! 私はいないものとして二人は扱ってくださいッス!」
「いないものとして扱って欲しいなら、声掛けないで欲しかったんだけど……って、雷子(らいこ)ちゃん、今食べてるそれって……」
「ん? 季節限定ジャンボパフェっスけど、それが何か?」
「それ一人で食べちゃうの? 私、聖夜と分け合って食べようと思ってたけど、雷子(らいこ)ちゃんでもギリギリじゃ……」
「お待たせいたしましたー! 追加の季節ジャンボパフェです!」
「あ? 俺コーヒーだけだから頼んで無い……」
「ありがとうっス!!」
「おかわり頼んでやがる!?」
この後輩、俺ですら一人じゃキツイ量を2つ食べようとしてやがる!!
前から思ってたけど、どんな胃袋してんだコイツ!?
「ちょ、ちょっと雷子(らいこ)ちゃんそれ大丈夫!? 本当に食べ切れる!?」
「大丈夫っス! 後でもう一個くるので!」
「3っつ食べるつもり!? ちょ、ちょっと自重してくれない雷子(らいこ)ちゃん!? もうこの際食べ切れる事には突っ込まないけど、聖夜の目の前でそう言う事するのは……!」
「え? 別に私は気にしないっスよ。聖夜先輩には大体もう大食いなのは知られてるし」
「いやそうじゃなくて。今聖夜の頭の中、多分あなたの“ジャンボパフェ3つ食う女”って情報でいっぱいよ!? 一緒にお出かけ中の私より、あなたの奇行の方が印象に残っちゃうじゃ無い!!」
「アッハッハ! ……聖夜先輩の頭の中に私が残るの、それはそれで嬉しいっスね」
「さてはお前、私のデートの邪魔しに来てるなッ?!」
そんなつもりないっスよ〜、と雷子(らいこ)は手をひらひらと降ってくる。
なんと言うか、コイツ……多分俺と同様に、敢えて分かった上でからかってそうな節があるな。
涙(るい)、お前これ後輩におもちゃにされてるぞ……?
あー、すっかり空気が雷子(らいこ)に持ってかれたな。
涙(るい)に聞こうと思ってたことがあったのに……
「……ん? 聖夜どうしたの? なんか私に聞きたいことあったのに……みたいな顔してたわよ?」
「なんでそう言うところはわかるんだよ?」
コイツ、普段ポンコツっぷりを醸し出してるくせに、俺のこと変なところだけ分かってる節あるよな。
それにしては、俺がこっそり特訓してた事には気付いていなかったみたいだし、勘がいんだか悪いんだか……
まあいいや、俺は世間話でもするかのように話を振った。
カイザーとの話題で出た……
「いや、ちょっと脈絡のない話題なんだけど。涙(るい)達ってヴィランの“旧世代”の事について、どう思って──」
「大っっっっっ嫌い/ッス」
「おおう……」
予想を遥かに超えた心の奥底からの声に、俺は引き気味になっていた。
と言うか、涙(るい)だけでなく雷子(らいこ)まで同じぐらい感情が篭っていた。
事前にカイザーに聞いていた涙(るい)はともかく、流石にそっちは予想外だった。
「あいつらヴィランじゃ無いわ。テロリストよテロリスト。何も生み出さない、破壊だけの存在よ。傍迷惑な奴らよあいつら」
「そうっスよね。郊外で暴れるならまだしも、普通に都市のど真ん中で爆発とかやってくる非常識な奴らっスよね」
「ええ。私行きつけのアクセサリーショップとかあったんだけど、あいつらのせいで建物爆発で閉店よ。一生許さないわ」
「私も、行きつけだったスイーツバイキングいくつかめちゃくちゃにされたっス。ガチで死ねよあいつら」
「悪の組織名乗るなら、活動ニチアサ程度にしなさいよ。後、あいつら暴れまくったら大抵グロい事になるし。私、グロNGよ」
「ただでさえ、私ヴィランって存在嫌いなのに、あいつらだけはほんっとうにダメっすね。この世から存在消えて欲しいくらいっス」
やべえ、涙(るい)と雷子(らいこ)の会話が止まらねえ。変なスイッチ入っちゃった……
涙(るい)がヴィランに対して割と肯定的な意見以前してたから、一応“旧世代”もその対象なのか確認のつもりで振った話題だったのに……
どうやら、涙(るい)基準だとあいつらはそもそもヴィランでは無いらしい。
──新世代が大量に現れた結果、旧世代の活動が急激に縮小されている側面もある。
カイザーが言っていた言葉だ。
結果論かもしれないが、まさか涙(るい)……ティアーが【ダーク・ガジェット】量産化させた理由って……
「……あー、止め止め。せっかくのパフェが不味くなっちゃうわ」
「……そうっスね。聖夜先輩、申し訳ないけどその話題食事中に出さないで欲しいっス」
「あ、ああ。悪かった……すまん」
俺は素直に二人にそう言った。どうやら予想以上にデリケートな話題だったらしい。
涙(るい)の考えていることも少し知れたし、とりあえずこの話題はまた今度にしよう。
「さて、とりあえずパフェの残り食べましょう。まだまだ残ってるし」
「そうっスよね! 頂きまー」
ドカアアアァァアアアアアッァアアンッ!!!!
「「「っ?!!」」」
爆発音と、衝撃。
ある程度遠くで爆発したのか、店内自体はそこまで影響は無いが、涙(るい)達の食べていたパフェが倒れる程度の揺れがあった。
直後お店の内部の電灯がチカチカ点滅し、完全に消灯してしまった。
『あー、全館に継ぐ!!』
館内のマイクから、そんな放送が流れてくる。明らかに誰かが放送室を乗っ取った放送だった。
『このデパートは、【ガリオ・リベンジャー】が乗っ取った!! 死にたくなければ、我々の要求に従え!!』
……郊外では無い、街のど真ん中での襲撃。
明らかに危険度高めの、悪の組織が現れた──
★佐藤聖夜(さとうせいや)
23歳
175cm
黒髪
中立・善
男
主人公
【ジャスティス戦隊】のレッド。
「ヴィランに良いも悪いも無いとは思うが……迷惑度の違いは確実にあるな」
ランキング上、旧世代のヴィラン組織との戦闘経験は少ない。(ゼロとは言っていない)
★天野涙(あまのるい)
22歳
168cm
青髪
混沌・善
女
【ジャスティス戦隊】のブルー。
兼、【カオス・ワールド】の幹部、“コバルト・ティアー”。
「旧世代と一緒にされるのは、本気で心外だわ。あいつらただのテロよテロ」
そう言ってる割に、世界に対して思った以上にヤバイことをやっていた張本人。
ヴィランという存在に対して、思ったよりこだわりが強い。
……同時に、自分の行いに正義も悪もない事も自覚している。
意外と科学者としての技術力は高いくせに、気になる男へのアプローチが上手くいかないお年頃。
★
21歳
167cm
黄髪
秩序・善
【ジャスティス戦隊】のイエロー。
レッドの後輩。
「私のパフェがあああああああッ!!?」
本人曰く、本気を出せばあのサイズは5つはいけるとのこと。
そこ、重いって言うな!!
★カイザー
22歳
172cm
紫髪
混沌・悪
「やれやれ、こうして振り返ると親友の功績が大きすぎるな。追いつくのに一苦労だ」
名も知れぬ相手との会話中、親友の偉大さを改めて実感してボスとして頑張ろうと決意中。
ある意味、にわか世代の代表とも言える存在。
傀儡のボス? そんなことは初めからとっくに自覚している。
だが、それが“夢”に向かって頑張らない理由にもならないだろう? と思っている。