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✾夜明け前君に刻む花弁

美しい思い出が欲しかった


いつか死んでゆくこの器に


唇から紡がれる花弁


肌に降る花弁が愛の証明


光の雫でこの胸に満たしたかった


愛しい人に願いを籠めて囁く



「私より先に散らないでね」



美しい夢を見たかった



物語に終わりがあるように


私たちの関係にも終焉がある



誰かに祝福されることのない


泡沫の夜の物語


それでもいいと望んだ薄氷の愛


始まりから壊れてる愛に


鈴蘭は咲かない



美しい夢を望まなければ


今でもまだ輝いていたかもしれない


無限の可能性





“愛は幻だ。永遠に真実になることのない、理想という名の手の届かない――青い鳥”




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