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✾茜色の魔法使い

「物語に出てくるようなすごい魔法使いじゃないから、世界は変えられないけど――でも君の日常は変えてみせるよ」




嘘月な魔法使い。



そんな事できるわけないじゃない。



できるはず、ないじゃない。




優しい橙色に染まる校舎の教室で、私は泣いてしまった。




――ずっと我慢していたのに。




学校では絶対泣かないって、誓いをたててたのに。こんなにも脆く儚い誓いなんだって、今目の前にいる現代の魔法使いに教えられた。





この、茜色の魔法使いに。






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