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✾オウサマに届けるための歌を

届くはずのない歌は、忘れ去られてゆく運命にあるのか。


雨音に掻き消されて、音の葉になることもない。


なんで、オウサマだって教えてくれなかったの。


なんで、全部ひとりで抱えて勝手に孤独になるんだ。



――私は。あなたの何だったの……?



「今度青綴の花を一緒に見に行こう。お前によく似た、強くて美しい花なんだ」



あなたの笑顔は、私に夜明けをくれた。



でもあなたはちがったの…………?



歌も聴いてくれる者がいなければ何の意味も持たない。


誰にも打ち明けられない秘密は孤独の中の孤独だ。



――じゃあ。今度は私は追いかけるしかない。



歌を届けるために。
















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