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✿朱祭り

夏祭りを彩る宵闇に浮かぶ赤い提灯。


白炎に燃える嘘。


紅玉の瞳に、ひそむ呪。



「ねえあなた、狐面かぶってた?」



夏祭りを楽しむ恋人の問いかけは――その後、悲鳴の花を咲かせる。


椿の、あかい海が。





夏の終わりに開かれる妖しい祭り。


どこまでいっても朱く果てがない。


人の祭りではない。


しかし、人は朱の美しさに誘われる。



瞳に朱が映る者は――どんな結末になるのか、誰も知らない。



「狐面をかぶってた?」


その問いかけの先に待つのは……。








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