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✿ローエンは語る

都市伝説金色の蝶ローエンより。



「極上の幸福に浸かれば浸かるほど、堕ちていくのは簡単です。人は賢者でもあり愚者なのですから。終焉は、いつも隣にあるのですよ」




夜を纏う男は、月灯りの夜に語る。


紅茶の水面が揺れるグラスとレモンツリーのチーズの焼き菓子。


心に触れる泡沫の蝶は、今宵もやさしい毒を零す。



終焉は幸せの隣にある。


どんなに死を忘れたくとも遠ざかることはできない。


“メメントモリ”――死を忘れるな。



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