優しい風纏う
花弁おどる小さな箱庭
死神さんはいつもみている
物語に触れた人たちの感情を
しずかに降る雨音のような
繊細な感情さえも
死神さんはいつもみている
陽色につつまれた紅茶の
おだやかな感情を
やさしい音がする
かなしい音がする
勿忘草図書館には死神さんがいる
勿忘草図書館に来訪すると季節の花々が出迎えてくれる。
春夏秋冬花が咲いてない日はない。
一番有名なのは、図書館の名前にもなっている“勿忘草”だ。
勿忘草の咲く季節になると他県からも様々な来客が訪れる。
そんな日は決って死神さんは笑顔になる。
勿忘草は死神さんにとっても特別な花なのだ。