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✿勿忘草図書館の死神さん

優しい風纏う

花弁おどる小さな箱庭

死神さんはいつもみている

物語に触れた人たちの感情を

しずかに降る雨音のような

繊細な感情さえも

死神さんはいつもみている

陽色につつまれた紅茶の

おだやかな感情を



やさしい音がする


かなしい音がする




勿忘草図書館には死神さんがいる




勿忘草図書館に来訪すると季節の花々が出迎えてくれる。

春夏秋冬花が咲いてない日はない。


一番有名なのは、図書館の名前にもなっている“勿忘草”だ。

勿忘草の咲く季節になると他県からも様々な来客が訪れる。


そんな日は決って死神さんは笑顔になる。


勿忘草は死神さんにとっても特別な花なのだ。

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