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死にたがり少女と文字の森のクマさん
死にたがり少女と文字の森のクマさん
DANDY
現代ファンタジー現代ダンジョン
2024年11月01日
公開日
9.8万字
完結済
 お父さんが事故で帰らぬ人になり、お母さんは私を残して自殺……。私の日常はあまりにも呆気なく崩れ去ってしまった。残された私はというと、今年の春に高校生になったは良いものの、立て続けに両親を失ったショックで家に引きこもっていた。

「もう、死んじゃおうかな?」

 友達もいない私はそう決意して、お母さんが自殺した富士の樹海に入っていく。絶好の死に場所を探して彷徨っている内に、樹海の奥地に文字の森と書かれた森を発見した。

 その森の中には何故かコテージがあり、その庭のベンチの上では、タオル地のクマさんが気持ち良さそうに眠っていた!

 目覚めたクマさんは何故か私の名前を知っていて……。

プロローグ 私から母への手紙

拝啓、母へ


私を置いていった貴女に伝えたいことがあります。


お父さんが事故で死んでしばらくして、貴女は私を置いて逝ってしまいましたね?


その時の私の気持ち、貴女に分かりますか? 分からないですよね?


私が小学生だった頃に、幼馴染の美香と喧嘩して大切にしていたクマのぬいぐるみを森に捨てた時も、貴女は私を責めるばかりで、当時の私の気持ちなんてこれっぽっちも理解してくれなかった。あの時美香だって、大事にしていた鳥のぬいぐるみを森に捨てたのに……。ずっとその時のことが頭から離れませんでした。


でも今はもう違います。


私には仲間が出来たのですから、貴女を追って私も逝こうとしたけれど、今は一緒に暮らしています。


もう死んでしまった貴女に返事は書けないでしょうが、どうもこの森では貴女に会える予感がしています。


それではまた。



                             貴女に愛されなかった娘より



追伸……森の仲間たちは皆良い人です!!

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