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第16話【夏休み企画 学力テスト編2】

「それでは最後の科目は社会になります!」


 四科目が終わり、今のところ瀬奈さんが370ポイントで一位。円華さんが340ポイントで二位。秋奈が200ポイントで三位。そして最下位は結唯さんの160ポイントだ。

 一位争いは瀬奈さんと円華さん。そして最下位争いは秋奈と結唯さんだ。


「社会の一問目はこちら【日本国民の三大義務は何?】これの皆さんの回答見て行きましょう」


雨音雫月【1教育 2笑顔 3生きる】

沢村リサ【1納税 2教育 3納税】

早乙女百合【1労働 2納税 3教育】

柊リン【1勤労 2教育 3納税】


:リサちゃん納税に恨みがあるんか。

:もうこれ雫月ちゃんが正解で良くないか。

:今日から雫月ちゃんの回答が国民の義務で。


「正解は教育の義務、勤労の義務、納税の義務です。これ百合さんが惜しいですね。勤労を労働と間違えてますね。全問正解はリンさんですね。30ポイントです。雫月は10ポイント、リサさんと百合さんは20ポイントです」


:百合ちゃん惜しいな~。

:これで百合ちゃんとリンちゃんの差が20ポイントに。

:最下位争いも差が30になったぞ。


「えー、頭を抱えている雫月とリサさん。まだ最下位は分かりません」

「ま、まだ30ポイントも差があるからね!」


 笑顔の円華さんと瀬奈さんとは真逆の世界に居るかのように死んだ表情をして頭を抱えている秋奈と結唯さん。


「続いての問題はこちら【三権分立とは行政権と立法権と何権の三つに分けられた国家権力でしょうか】これは酷かったですね~。雫月は空欄で出してきたので他三人の答え見て行きましょう」


沢村リサ【黙秘権】

早乙女百合【生存権】

柊リン【参政権】


「これは全員不正解ですね。リサさん黙秘権はどこで使うか分かりますか?」

「……黙秘権使います」

「ここは裁判所じゃないですよ。リンさんはまだ惜しいですね。答えは司法権ですね~。ポイントの移動はなしです」


:空欄で出した雫月ちゃんも黙秘権使ってるな。

:国家権力が生存権ってwww

:残り60ポイント分しかないぞw

:最下位はリサちゃんで決まりか?


「続いての問題はこちら。【日本の五大都市圏はどこでしょう?】これは正解率意外と高かったですね」


雨音雫月【東京 大阪 愛知 神奈川 札幌】

沢村リサ【東京 名古屋 大阪 札幌 福岡】

早乙女百合【東京 名古屋 大阪 北海道 福岡】

柊リン【東京 札幌 名古屋 大阪 福岡】


「これはちょっと審議が必要かなとは思ったんですけど、調べても愛知県と北海道の表記がされてるのが見当たらなかったので、答えは【東京 大阪 名古屋 札幌 福岡】とします!」

「なんで! 名古屋も愛知も変わらないじゃん!」


 そう必死に身を乗り出して訴える雫月。


「まぁここは厳しくね」

「優しくしてよ!」

「いーや厳しくします。という事でなんとあのリサさんが全問正解! リンさんも全問正解です」

「ちょっと! あのリサって何よ!」


:最下位なんだからしょうがない。

:あのリサちゃんが……成長したんやな。

:これで最下位が同率になる可能性も見えてきた?

:一位争いも分からなくなった。


「これでリンちゃんと10ポイント差だね!」

「凄いじゃん百合!」


:そこの二人は同率であってほしいと思ってしまう。

:なんにでもてぇてぇと結びつけるオタク。

:リンとリサ。一文字違うだけでこんなにも……うぅ……。


「えーっとこれでリンさんの一位は確定なんですけど同率一位の可能性もありますね。逆にリサさんの最下位も確定しましたけれどこちらも雫月と同率最下位の可能性もあります」

「雫月ちゃん……一緒に行こう……下へ」


:頼むから上に行ってくれ。

:まぁどうせなら仲良くな。

:どんぐりの背比べやめてね。


「それでは最後の問題はこちらです【江戸時代で行われた踏絵の目的を説明しなさい】これは他に比べて少し難しいかなって思ったんですけどちゃんと正解者はいました」

「私だね!」

「いーや雫月だもん」


:二人の自信はどこから来るんだよ。

:自分のポイントを再確認してから言ってくれ。


「皆の答えはこちらです」


雨音雫月【絵を踏んで楽しんだ】

沢村リサ【キリストを信仰してる人を見つけるため】

早乙女百合【宗教を区別させるため】

柊リン【キリスト教の人を見つけるため】



「正解はリンさんと……リサさんです!」

「え⁉ 本当に私正解⁉」

「リサちゃんすごーい!」

「待って! それじゃあ雫月も最下位って事⁉」


:二人仲良く最下位。

:まぁ納得の結果やな。


「そう言う事だね。この問題の答えはキリスト教徒を取り締まるためです。絵を踏まなかったら処分されたらしいですね」

「なんで踏めば助かるのに踏まないの?」

「鬼畜botやめてね雫月。それで一位はリンさんです!」

「まぁ当たり前の結果ですね!」


:誇らしいよリン

:流石二人とは違う。


「雫月だって昔じゃなくて今習ってるのだったらもっと正解できたもん!」

「私だって!」

「いや待って二人とも、今習ってるやつで今と変わらなかったら流石にまずいよ」


:よく大学が入れたなw

:てか逆に良く最後の問題リサちゃん正解できたな。

:こーれ不正疑惑あります。


「ありません! 踏絵は記憶に残ってるんだもん。踏むだけで助かるのになぁ~って思ってたのがちゃんと記憶に残ってますー」


:君も鬼畜botやめてね。


「それでは一位がリンさんで二位が百合さん。同率最下位が雫月とリサさんという結果になりました。ここで一つ提案なんですけど、今ここで早押しで一問問題を出して雫月とリサさんで最下位を白黒はっきりさせるって事も出来ますけど」


 すると二人は数秒目を合わせた。


「いやでも雫月争いは良くないと思うんですよ」

「やっぱり平和に仲良く終わるのが良いと思うんですよね」

「うんうん。仲良く終わりましょう!」

「それでは問題です!」

「「何で⁉」」


:話を全く聞かないけど有能。

:白黒はっきりしましょう。


「太陽は〇から登り〇へ沈む。〇に当てはまる方角は? ボードを渡すのでいっせいのーでで出して下さい」

「待って待って。今太陽どこ? 右にあるから……」


:これ終わりや……。


「そろそろ良いですか? それでは同時にどうぞ」

「「はい」」


雨音雫月【左から右】

沢村リサ【東から西】


「正解は東から西へ沈むのでリサさんが正解です」

「やったー! 最下位回避‼」

「え⁉ あ、そう言う事⁉」

「逆にどういうことだと思ったんだよ……」


:自分の立つ位置で変わるの終わってるww

:アホすぎだろww


「これで三位がリサさんで最下位が雫月という事になりましたね」

「方角ならそう言ってよ!」

「方角以外ないだろ!」


 いくら膨れっ面をしても不正解は不正解だ。

 いくら可愛くしてもダメだ。


「それでは一位のリンさんには日本の三大和牛である松坂牛、近江牛、神戸牛の食べ比べセットをプレゼントです!」

「やったー! 美味しそう!」


 勿論今実物を渡したわけではなく、写真が大きくプリントされたボードを渡した。


「そして最下位の人には復習としてこちらのドリルをプレゼントしたいと思います」

「え!? ちょっとそれは聞いてないよ!」

「流石に恥ずかしいのでちゃんとやってね」

「むぅ……答えはないの?」

「答えは没収しました」


:ドリル配信待ってます。

:次こそはリサちゃんに勝つんだ。


「やだよぉぉー!」


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