「ねえメディさん、ちょっと聞いていい?」
『あ?なんだ』
昼食の時、芽依は突然質問を始めた。
器用にスプーンを使ってシチューを食べるメディトークは顔を上げて聞いてきた。
「前に言ってた色んなところに繋がる道って、結局なんなの?転移とかとは違うもの?」
『ああ、道っつうのは普段目に見えるもんじゃねぇがな、実際は転移にしても転移門にしても道を使ってんだ。例えばよ、こっちと移動先の向こうを2つの魔術陣で繋いでその間に道を通して転移すんだよ』
「それじゃ、うちの庭も領主館との間に道があって通ってるってこと?」
『そう』
「道って沢山あるの?」
『ああ、既存のもんから誰にも会わないように新しく作る場合もあんな。既存のものは誰でも使えるが誰にでも会う可能性がある。それを避けたい場合は自分で専用の道を作る。ずっと残す事も出来るし、数回使って自然に破棄されるもんもある』
「それは誰も入れないの?」
『侵食や侵入に長けたやつなら可能だが、自分で道を作る場合は厄介事も多い。わざわざ突っ込んで行く奴は少ねぇよ』
「………………なるほど」
『どうしたよ、なんかあったか?』
「魔術の原理がわからないから、聞いて理解が中々難しいけど、なるべく知っておきたいなって」
『いい事だ。知っているのと知らないのとではいざと言う時の対応が変わるからな。なるべく知識を蓄えろ。そして1人になるなよ』
「うん…………メディさんがいてくれるんだよね?」
『………………当たり前だろ』