パラサイトオーガの集団に囲まれ、絶体絶命に陥る二人。その個体数は黒焦げの五体に加え、近くから駆け寄ってきた残りの半分。合わせて十体もの腐敗した肉体である。いくら
「グゴォォォー!」
「――さあ来なさい、化け物ども‼ たとえこの身が滅びようとも、
「
「
「う、うん」
鬼気迫る周囲の異様な様子。こうした光景に、
「まさか、こちらの鬼生体がここまでの脅威だったとは……」
「……脅威? って、そんなにも違うものなの?」
「違うも何も。私が知っている鬼生体は、最初に魅せた剣技で跡形もなく消えていました。ですが、この惑星に巣くう化け物というのは、滅するどころか腕しか切り落とせない状況です」
「もしかして、さっき言っていた瘴気が影響していると?」
「そうとしか考えられませんね。けれど、時間をかければ倒すことも可能でしょう」
「ほんとですか?」
「ええ、――といいたいところですが……」
「
不安な表情で尋ねる
「おそらく解放できる異能の力は、もってあと数回。先ほども言ったように、戦いが長引けばいずれ念の力も枯渇してしまいます。であるならば、奴らを倒すにはそれ以上の圧倒する力が必要。とはいえ、私が扱えるのは、この二つの剣技。これ以上は、妖刀に心を支配され、廃人と化すでしょう」
「二つ……の剣技?」
「そうです。未熟な私に出来るのは、先ほど魅せた水と雷の剣技のみ」
「のみ? ……ということは?」
「「「「「グゥゴォォウッ――‼」」」」」
周囲の空気が震え出すほどの咆哮を上げるパラサイトオーガたち。どうやら、この雄叫びを皮切りに、一斉に襲い掛かるようだ。ところが、合図を待たずして、群れの中から二体の個体が飛び出してきた。
「「――ゴォォッ‼」」
――その刹那、息を吐きながら大きな声を張り上げる
「疾速、百歩――‼」
「えっ、何が起きたの?」
おそらく今の技は、最初に魅せた術の類に違いない。まさに神速と呼ぶに相応しい洗練された動き。従って、
こうして妖刀を手にした