銀河団の中には数多の惑星が存在するとされる。その中には、高度な文明も少なからずあったことだろう。しかしながら、どれだけ発展していようとも恒星レベルまでが限界であるといえる。
もしそれ以上の発展した技術があるならば、この果てしなき宇宙を支配していたに違いない。ところが、唯一存在した惑星があった。それが銀河文明にまで進化したペンタス。人々から愛された希望の星。
けれども、それも数百年ほど前の話。いまでは荒野と化し、希望ではなく死の惑星として誰も近寄ろうとはしなかった……。
この荒れ果てた砂漠のような大地。天体衝突の痕跡だろうか、所々には山積みにされた機械の
――そんな雑草すら生えない場所を、颯爽と走る二輪のバイクがいた。
なにかを探し求めているのか、もしくは何者かに追われているのか、後部座席に腰を掛ける青年は、辺りを見回しながら様子を窺う。こうした状況を心配そうにしていた運転手。少し後方へ身を逸らし、今後の予定を相談する。
「――
運転手は大きな声で呼びかけるも、荒野を爆走していたためだろう、言葉は風に流されかき消されてしまう。
「えっ、いま何て言ったの?
「だからよぉー、あてもなく走っても意味ないんじゃないのか。燃料も残りあと僅かだぜ」
これにより
「うーん……だったら、どうしよっか? 燃料もだけど、食料もなんだよね」
「おいおい、それってマジかよ! どっちかでも無くなっちまったら、
「そうなんだよね……。――んっ? あれって、なんだろー?」
「
「はあー、本当だろうな? この前もそう言って、結局なにも無かったじゃんかよ」
「この前はね。けど、いまのは多分間違いないと思うよ。だからお願い、あの場所へ行ってくれない。――ね、
「――ったく、仕方ねえなぁー。
「分かってるって。少しだったら大丈夫でしょ」
こうして光の正体を探りに、残骸の場所へ向かう二人。やがて目的の付近へ近づくにつれ、
「あっ、あれだよ
「んっ? この場所って……以前も通らなかったか?」
荒野に点在する残骸は、どこにでもある見慣れた風景。確かなことは言えないが、街へ向かう途中に走り抜けたのではないかと
「そっ、そう? よく似ているからね。多分、気のせいだと思うよ」
「ほんとか? たしか、ここだと思ったんだがな……」
「――あっ、
バイクが目的の場所を通り過ぎようとした瞬間――。
「はあっ⁉ ここ?」
「そう、この場所」
光を見つけた場所は
「ごほっ、ごほっ! ぐっ、
「仕方ねえだろ、
二人は薄っすらと目を開けるも、周囲は砂埃により何も見えない状態。とはいえ、ほどなくすると包み込む塵も風に吹かれ流れゆく。
こうした中、消える事なく残るもの。それはバイクから伝わる二つの感じ方。振動は大地を揺らがせ、重低音は大気を響かせた…………。