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第41話

「旅人様っ!」


「おっと、いきなり飛び込んできたら危ないだろ?」


「ご、ごめんなさい……でも、心配で……怪我は、してませんか?してるならすぐ治しますからっ!」


「あーそうだな、俺は大丈夫だ、ただ怪我人が多いから手助けしてやってくれるか?」


「は、はいっ、わかりました……あっ、で、でも」


「俺も一緒にいくから安心しろ」


「はいっ!」


 旅人様に着いてきてもらって、私は怪我人の治療をしていきました……皆さんからは感謝されましたが、そのナンパしてくる人が増えたのがちょと……


「アンナちゃん」


「あっ、ラニィさん、カルナさん」


「すごいね、助かったよー」


「ほんとね、こっちも魔力が減って厳しかったから治療を変わってもらえて助かったわ」


「い、いえ、私はこのぐらいしかできないですから」


「ううん、あれだけの治療ができるならすごいよ、教会に所属してたりした?」


「い、いえ、私は、そのしょ、ぞくはしてない、です」


「そうなのねぇ」


「うん、でもすごかったよ!ありがとうね、あっ、マグナスや他の男どもがなにかしてきたら言ってね?全員ぼこぼこにするから♪」


「は、はい……ありがとう、ございます」


 ◇


「はぁ……疲れたぁ……」


「お疲れ、また馬車で休んでろ、もう少し移動したところで休憩を取るらしいからな」


「今日は早いですね?」


「さっきの襲撃もあったしな……少しは慎重にならないとな……」


「なるほど……やっぱり、さっきの群れのせいですか?」


「あぁ、とくに最後に倒したでかいやつ……あいつはここらで活動してる冒険者でも見たことがないらしいからな……火山地帯の魔物の活動が違っているみたいだ……」


「じゃ、これから先も、普通じゃない魔物に襲われる可能性があるんでしょうか?」


「そうだな、その可能性はある……十分注意して行こう」


「わかりました」


「ただなぁ……」


「んにゅ?」


「可愛い声だすな」


「はうっ/// あうぅ……つ、つい……そ、それで/// な、なにかあるんでしょうか?」


「あぁ、さっきので治療しただろ?」


「はい」


「ヒーラーは貴重だからな……多分この旅の間にも支援をお願いされるだろうし……場合によっては、引き抜こうとしてくるやつがいるかもな」


「えっ、い、嫌ですっ」


「まぁ、な、アンナは冒険者でもないし、引き抜きもなにもないんだが……冒険者だけじゃなくて商人も目をつけてるだろうな」


「え?商人もですか?」


「あぁ、あれだけの人数を回復して疲れも見せてない……それだけの魔力量を誇る治癒魔法使いは滅多にいないからな……商人からすればそれほどの治癒魔法使いは欲しくてしょうがないだろうな」


「ひっ、だ、大丈夫なんでしょうか?」


「あぁ、無理に連れて行こうとすれば当然犯罪になる……それに、単騎であの亜竜と戦っていた俺を相手にしようとする連中も少ないだろうしな」


「そう、ですか……でも、旅人様のこと信じてますからっ」


「あぁ、そうしてくれ……なにかあったらすぐ言え」


「はいっ」


 さて、そのあとは少し早いものの今日の休憩場所に到着し、私達は野営の準備をしました……


「はぁ……まぁ、私はやっぱり火の番ですけど……」


「あーんーなーさーんっ!」


「ふぇっ?」


 私が声に振り返ると……マグナスさんが、丁度顔面を殴られ吹き飛ぶ瞬間でした……あの人は学習能力がないのかな??


「アンナちゃん、お疲れー」


「あっ、ハイ……えっと」


「大丈夫大丈夫、あっ、安心してね?アンナちゃんを狙ってる連中も何人かとはしっかりオハナシしたから」


「わ、わかりました、ありがとうございます」


「ううん、いいんだよー貴重な回復職だしね」


「あ、あはは」


 ラニィさんはマグナスさんを引きずってキャンプに戻っていきました……


「またか?」


「あっ、旅人様……そうですね、またきました」


「懲りないな……」


「そうですね……」


「まぁ、いい……とりあえず、飯にしよう」


「はい、ご飯楽しみです♪」


 そのあとは旅人様と一緒にご飯、周りの隙をみつつカペラにもご飯をあげました。


「あの、明日の予定はどうなるんでしょう?」


「あぁ、一応予定通り進むことにはなる……ただ、索敵を少し多くする感じだな……移動速度は落ちるが、警戒しすぎたとして問題にはならないからな」


「なるほど……わかりました」


「あと、やはり何人かの商人がアンナを気にしてるから、俺から離れないようにしろ」


「わかりました……」


 そのあとは、旅人様と一緒にテントに……他にも冒険者がいるので順番でお休みです……さて、流石にこれまでの旅で慣れてきてはいますが……こ、こうやって狭いテントでこんな近距離……少し動けば触れられる距離で寝るのは初めて……///


 ダメだ、我慢して寝なきゃ……心臓がめちゃくちゃ早く動いてるけど……あーダメだ、ダメだ……我慢、我慢しないとぉお~~


「きゅ?」


「カペラ……お願い、少し、少し触らせて、気をまぎれさせてえぇ」


「きゅっ!?きゅぁぁ~」


 私はひたすら無心になるために、カペラをモフりつづけた……


 ◇


「はっ……私は……」


 眠くて頭がまだしっかり動いてないけど、あたりを見れば旅人様の姿はありません……どうやら、あの後しっかり眠れたようです……旅人様は順番がきて夜番に出たんでしょう……


「きゅぅ~~」


「あっ……」


 私の傍では、モフりすぎてダウンしてるカペラの姿があったのでした……


「カペラっ、ごめんっ」


「きゅ、きゅぅう」


「ただい……どうかしたか?」


 戻ってきた旅人様にお願いして、私はカペラにご飯をあげました……とにかくご機嫌取りです、ごめんねカペラ~~~


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