さて、あの熊の魔物を倒してからどのぐらい経ったでしょう?数週間jは経ったかな?私達は迷いの森を進み、迷いの森っていうのに旅人様は一切迷うことなく進んでいきました……当然ですが、その間に私は何度も彼に背負ってもらっています……頑張ってますが中々体力が付きません……
「さて、明日には予定地にはつけそうだな」
「そうなんですか?」
「あぁ、森での生活も終わりだ」
「ということは、ついに公国に入るんですね」
「あぁ、森から出ればそこはもう公国領内だ……ただ、森を抜けた俺たちより間違いなく正規ルートできてるであろう王国軍の連絡のほうが早いだろうからな……注意して進むのは変わりないが」
「わかりました」
「とりあえず、飯を食ったら、さっさと寝るぞ」
「はいっ」
「きゅいっ!」
ちなみに森での食事はどうしたかというと、もちろん買った保存食なんかもありますが、基本的には現地調達です……迷いの森は人が入らないので食料になる動物がいっぱいいるんですよねぇ……魔物に食べられちゃんじゃないのかなって思ったんですが、魔物は動物を食べないそうで……人は襲うのに?どうやって生きてるんだろう……?
「はーい、カペラ~♪」
「きゅぅっ!」
かわいいっ、かわいいっ、かわいいっ!モフモフうさちゃんカペラは可愛くて仕方ない……カペラはやっぱり、うさちゃんだから?野菜を基本的に食べます。ちっちゃいお口で食べる姿が可愛くて萌えます。
「仲がいいことだ」
「はいっ、カペラは家族です♪」
「ふぅ……カペラ、食うか?」
旅人様が野菜を手に持ってカペラの前に持っていきます。
「きゅうっ!」ガブッ
「カペラあぁあああああ!!噛んじゃダメえぇええええええ!!!」
「きゅっ!」
カペラはなんでか旅人様に懐いてくれません……近づくと警戒したり噛んだりするんです……カペラは頭がいいので?私が言ってることはわかってくれます……なのに私以外の人には厳しいです……
「まぁ、元々カーバンクルは、その宝石を狙って狩られてるからな……人間に懐かないのは普通だ……お前が例外だな」
「そうなんですかね……私には懐いてくれるのに……」
あぁ、ふわふわ……♡
はっ!いけないいけない……んーどうすればカペラは仲良くしてくれるんだろう……他の人に懐いてほしいわけじゃないけど……せめて旅人様にだけは懐いてほしいなぁ……
「まぁ、いい……食ったなら休んでおけ」
「はい、ありがとうございます。カペラ~お休みする準備しよ」
「きゅうっ」
さて、流石に私達も食べてすぐ寝るのは辛いです……国を出てからそこそこ経ちましたが、やっぱり野営は辛いです……眠る時は、外套を巻きつけて寝袋の変わりです……火の番は旅人様がしてくれて、正直、彼はほとんど寝ていません……早く森を出て、街にいって……彼にはゆっくりしてほしい……
「はぁ……お休みなさい……」
「あぁ、ゆっくり寝ろ」
◇
「ん……ふぁ……」
「起きたか?」
「おはようございまふゅ……んゆ……」
「うきゅぅ~~」
「ほれ、水だ。顔洗っておけ」」
「ありがとうございまふ……」
旅に水は貴重ですが、旅人様は毎回こうして水を使わせてくれる……はぁ、サッパリしたぁ……出来るなら身体を拭きたいけど……森の中は危ないから我慢です……どうしても我慢できないときは旅人様にお願いして水を使わせてもらって身体を拭いてますが……それでも最低限です。
「あの、旅人様も少し眠ったほうが……」
「そうだな……じゃあ、少し寝る……何かあったら直ぐにいえ」
「は、はいっ」
旅人様が眠りにつきました……ただ、彼の眠り方は剣をもったまま座った体勢です……正直それで休めるとは思えません……でも、私は戦えないから、すぐに動けるようにずっと警戒している……
「ごめんなさい……」
「きゅぅ……」
「カペラ、うん、大丈夫……はぁ、せめて見張りぐらいは出来るようになればなぁ……」
それから、旅人様が起きたのは30分後ほどでした……あれじゃあまったく疲れが取れない……急いでゆっくり休めるところを探さないと……
「さて、行くか」
「はい」
それから私達は再び歩き始めました……それから数時間……やっと私達は森を抜けたのです。もちろん私は背負われています……(泣
さて、森を抜けた私達は、近くの村なり町なりを探して移動をすることになりました……それからしばらくすると、村が見えてきましたっ
「旅人様っ、村ですっ!あそこで休みましょうっ」
「そうだな……ついでに、あの村で補給と近くの街なりの情報を得られればいいが」
「そうですね。でも、これで旅人様もゆっくり休めますね」
「ん?あぁ、そうだな」
私と旅人様は無事村へ到着しました……まぁ、この距離で盗賊や魔物に襲われることはないでしょうし……ちなみに、村の人も快く村へいれてくれました。そのあとは、さっそく空き家を借りてそこに泊めていただくことになりました……
「なんだか、村によるたびに空き家がありますね?」
「まぁ、若いやつが出ていったり老衰で死んだり、魔物にやられたり……空き家ができる要因はいくらでもあるからな」
「なるほど……」
「とりあえず、俺はちょっと情報収集にいってくる」
「あっ!まってくださいっ」
「なんだ?」
「あの、わ、私が情報を集めますっ!だから、その、休んでください!」
「お前……だが、人に話しかけれるのか?」
「うっ……」
正直、怖いどころじゃないです……でも、毎回毎回、彼に頼ってばかりじゃダメだよね……それに森を抜ける間まともに休めてないわけだし……これぐらいは私がやらないとっ
「んー……」
「だ、ダメ、ですか?」
「はぁ……わかった、ただ、カペラは置いて行けよ」
「ふぇっ!?」
「当然だ、なるべくカーバンクルの姿は見せないほうがいいし、村人にかみつく可能性も高いからな」
「あっ、そ、そうですよね……わ、わかりましたっ!がんばって、1人で、情報収集してきますっ」
「……無理そうなら、さっさと戻ってこい」
「はい……」
彼とカペラに見送られ私はいざ、外へっ!人との交流……もとい情報収集へっ!
「おやぁ、お嬢ちゃんどうしたんだい?」
「ふぇっ!!!?」
「おやおや、びっくりさせちゃったかねぇ?」
あっ、いえ、だ、だだだ、だいじょうぶでしゅっ」