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第7話

「わぁ~町ですねっ!村よりおっきいですっ」


「まぁ、そうだな」


 ずっと旅人様に背負われて移動し、ようやく私たちは町を見つけたのです……ちょっと興奮しすぎて発言がおかしくなりましたが、おバカになったわけではありませんっ


 だって、旅人様にずっと背負われて移動って、恥ずかしいし申し訳ないし、とにかく色々マイナスなことを考えちゃったんです……あっ、でも旅人様の背中おっきくて背負われてると安心して、それに合法的にくっつけてそれはプラスですっ


「ここで馬を買っていこう」


「わかりましたっ」


 さて、私は流石に旅人様から降ります……ちょっと寂しいですが、わがままは言えません……それに背負われたまま毎回、村や町に入るのはおかしいのはわかっています……この程度の距離なら疲れることなんてありません!



「大丈夫か?」


「は、はひっ……大丈夫でしゅっ……」


「ここは辺境伯領の通り道だからな、商人が多い……それにしてはだいぶ並んでるが」


「そう、なんですね……」


「背負うか?」


「い、いえ……この、まま……がんばります」


「そうか」


 それから10分ほどして私達の番がやってきました……


「目的は?」


「こちらで移動用に馬を購入したいんだが、売ってる場所はあるか?」


「ん?あぁ、そうだな……売ってるものはいるからそちらで交渉してくれ」


「あぁ、わかった」


「特に問題はないな……それはいいとして、そっちの女は大丈夫か?今にも死にそうだが?」


「はっ、はひっ……ちょ、ちょっと疲れただけ、です」


「そ、そうか……とにかく通ってよし。ようこそ」


「あぁ、ありがとう、いくぞアンナ」


「はいぃ~」


 私達はようやく町にはいることが出来ました……そして、旅人様がすに近くの宿をとってくれました。ちなみに、お金の節約も考えて一部屋です……男性とおなじ宿で一緒に……べ、ベッドも一緒だとか?(*ノωノ)キャー!!


「おい、2階の角部屋だ。俺は馬を買いにいってくるから、部屋で休んでろ」


「あっ、はいっ!」


「あと、しっかり鍵をかけておけ……俺が帰ってくるまで開けないようにしろ、いいな?」


「ひゃ、ひゃいっ///」


 旅人様の顔がすごく近くに来て、小声でささやかれました……ちょっと、今のだけで昇天できそうです。とりあえず、どうにか気をしっかりと保って私は部屋へ入って、言われた通り鍵をかけてベッドに倒れました。


「あ~~~~~疲れたぁ……旅人様に迷惑かけちゃってるよねぇ……まさか、10分そこら列に並ぶだけで弱っちゃうなんて……でも、背負われたままは恥ずかしいし///」


 どうすればいいのか、今後は馬で移動になるから大丈夫かもだけど……今後を考えれば体力は絶対いるよね?そうすると……やっぱり筋トレかな?


「まずは、腕立てからっ!」


 床に手をつき腕立ての体勢をとる……前世でも10回はできたし……


「い~~~~ちっ……きゅぅ~」


 腕がぷるぷるする……まさか1回もできずに倒れるなんて……///


「つ、次は腹筋……えっとベッドに脚をひっかけて……うん、ぎりぎり大丈夫かな?よしっ!」


 膝をまげて倒れ、手は頭で組んで……


「い~~~~~~ちぃ……こふっ……」


 ちーん……こちらも一度もできなかった……虚弱とかそういう次元じゃないよぉ……もうあれだね、なんでこれまで生きてこれたか不思議なレベルだよ……


 そのあともいくつか知ってる筋トレを試したけど、どれもこれも1回もできなかった……まぁ、時間をかければかけるほど疲れ果て、結局私はベッドに突っ伏して動けなくなってしまいました……


「これは……まずすぎます……生活に、圧倒的に、弊害が……」


 コンコン


「は、はいっ!」


「旅人だ、開けてくれ」


「あっ!すぐあけまっ……っ~~」


「どうかしたか?」


「い、いえ……なんでもないです……あ、あけますね……」


 うぅ……身体が痛い……運動したから(物理的に出来てない)?と、とにかく扉をあけないと!どうにか、移動をして鍵を開ける……すぐに旅人様が中にはいってきた。


「ただいま」


「お、おかえりなさい」


 はっ、ただいまと言われておかえりなさいと答える……ちょっと、なんていうか夫婦っぽい///


「どうかしたか?」


「ふぇっ!なんでもないですっ!」


「そうか、とりあえず馬車の購入ができた。これで移動がだいぶ楽になるだろう」


「そうなんですね、よかったです……」


 でも、馬車かぁ……馬車だとお馬さんに2人乗りはできないなぁ……背負われなくても合法的に密着できる方法だったのに……はっ、御者台っ!御者台なら横にすわって密着できるかもしれないっ


「アンナ」


「ひゃいっ!? な、なんでしょうか?」


「いや、なにやら考え事してるところ悪いが、今後の予定を話し合いたい」


「あっ、すいません、そうですよね」


「とりあえず、馬車は確保できたし、食料なんかも手配ができた。明日、町を出てアーモード辺境伯の収める領地にはいる」


「辺境伯……その人に見つからないようにしなきゃいけないんですよね」


「あぁ、辺境伯はお前の顔をしってるだろう?」


「そうですね……すくなくとも5年前にはお会いしたことがあったと思います」


「そうか、なら気づかれる可能性も十分にあるからな、とにかくなるべく急いで領地を抜けて国境を越える」


「はい、あの、簡単に国境って越えれるのでしょうか?」


「よほど問題になるものを持っていなければな……ただ、辺境伯が邪魔してくると簡単にはいかなくなるが……それに俺は冒険者としてのライセンスをもってるから国境を越えるのは問題がない」


「なるほど……あの、私はライセンスないのですが?」


「あぁ、それだが、アンナを帝国に送り届ける依頼を受けたという形で国境を渡ろうとおもう」


「依頼、ですか?」


「あぁ、それでだが、これからアンナにはギルドに行って俺への使命で護衛依頼を出してもらいたい」


「わかりましたっ、あっ、でもお金……」


「あくまでこれは冒険者として活動するという大義名分を得るためのものだから、気にする必要はない」


「そうなのですね……わかりましたっ!ギルドへいきますっ」


「あぁ、いこうか……どうかしたか?」


「い、いえ……そ、その……」


 はい、私はもうダメかもしれません……/// 結局、すでにダウンしてることを旅人様に謝罪し、背負われてギルドに向かうことになったのです……



「ママー、あのお姉ちゃんおんぶされてるー」


「そうねぇ~ふふ、微笑ましいじゃない」


「~~~~////」


 微笑ましくみられる、すっごく恥ずかしい//// 旅人様は……まったく気にした様子もないっ!ただただ、私が恥ずかしいだけだこれ……


「ついたぞ」


「ふぇっ!?こ、ここなんですね。あっお、ぉりますっ!」


「そうか?わかった」


 ちょと、まだ脚がプルプルするけど、大丈夫……ギルドの中まで背負われたら、たぶん私は恥ずかしさで死んでしまう……


「じゃあ、入るぞ」


「はいっ」


 旅人様の後ろについて中にはいる……そういえばこのファンタジー世界にきて、話にきくギルドに来たなんてちょっとワクワクするっ!


 そして、入った私に向く視線……強面のおじさまたち……私すぐに旅人様にくっついて隠れるのだった……怖すぎるよぉ


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