ルーカスは坑道を出てすぐ、アイシャと連絡を取る事が出来た。
状況を尋ねれば、案の
ルーカス達はまず、アイシャ率いる七班との合流を目指し〝
そして移動すること
無事に合流を果たしたルーカスは、アイシャと七班の隊長と話し合いの場を設けた。坑道で遭遇した未知の現象と、外の状況について情報共有するためだ。
その間、他の団員は魔狼の対処へ当たらせた。
「——闇……
「ああ。そうだな……仮に〝
「解決には
七班の隊長の言葉にルーカスは
「なるほど。貴方、
アイシャが探知魔術を担当している魔術師の男に
「距離に多少の誤差はありますが、ここからおよそ
「他に気付いたことはある?」
「……そうですね。北の地点に
「北か……。ありがとう、引き続き索敵をお願い」
男はアイシャの言葉に一礼すると持ち場へと戻った。
(
ルーカスは魔術師の男の情報を反復し、現状の打破に必要な手立てを素早く思考する。
「……
「ならやはり、破壊の力を持つ団長と、少数精鋭が別動隊として動くのが良いでしょうね」
アイシャの案にルーカスは頷いた。
さらに現時点での有効打は、ルーカスの持つ〝破壊の力〟のみであるため、それが一番有効かつ確実だ。
「でしたら七班の三人をこちらへ合流させ、アイシャさんは団長と行動を共にするのが宜しいのでは? 探索に魔術師は必須でしょうし、外でなら下手に人数が増えるよりも、アイシャさんの魔術が頼りになるでしょう」
七班隊長からの進言だ。
「それは正直助かる。複数相手だとアイシャの
「ではそのように。彼らには私から話をしておきます」
「ああ、了解だ。この場は頼んだぞ」
「お任せください。団長の仕事が終わるまで、こちらもきっちり仕事をこなして見せますよ」
七班の隊長はニッと笑って見せると、その場を後にした。
(やるべき事は決まった。あとは、どの方角から攻めるか——だが)
ルーカスは思案して
「三班は西、五班は南東か」
「はい。手始めに七班と、三班、五班の間に存在するであろう
「それが最善だな。町の守備はどうなっている?」
「こちらの現状を伝え、万が一に備えてあります。すでに騎士団が防衛体制を整えているでしょう」
「了解だ。町中に
「それは……考え
アイシャが苦笑いを浮かべた。
とは言え、ここで
現状は出来る事をこなすしかなかった。
「まずは東側から。時計回りに
「住民の安全を第一に考えて、町の近くからですね」
「ああ。危険の芽はなるべく早く
「了解です。——では、時間も惜しいですし、そろそろ出発しますか?」
アイシャの問い掛けに、ルーカスは「そうしよう」と
そしてルーカスは前線へと目を向けて、武器を振って戦う団員たちの中に金と銀の髪色を見つけると、叫んだ。
「ハーシェル! アーネスト!」
名前を呼んだ二人は、丁度魔獣を倒し終えたところのようだ。
彼らは剣に
その際、共に戦った七班の三人と会話を交わす一コマが見られた。きっと
駆け寄った二人に、別動隊として
「布陣は俺とハーシェルが前衛。アーネストは前衛のフォローと回復・強化を
「お任せください。安全に、かつ最短ルートでご案内致します」
布陣が決まったところで、ハーシェルが身体速度強化の魔術、
マナを含んだ若草色の風がルーカスたちを包み込み、体が軽くなるのを感じる。
「よし、作戦開始だ!」
ルーカスの言葉を合図に、打開への一手——
四人は