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デンジャラス 30

 無言で歩く真冬に、調子が狂うなと思いながらも声をかけるのは躊躇われた。


 本人だけど、まるで違う人間に見える。


 隼政にこういう時の真冬が何を考えているか、さっぱりだった。




“時間がない”




 そうはっきり告げた真冬を見るのは、隼政にとって初めてだった。


 今まで自分の知る真冬は、これほどまでにはっきりと自分の主張をせず、常に水露の言う事を忠実にこなす犬のようだったと思う。――いや、この場合執事か?



 深々と意味もなく巡る思考回路。



 無理もない。



 街灯がほとんどない道を男二人で歩き、しかも目的地は神社。




 隼政の思考は突如そこで終わりを告げる。真冬が、急に振り返り声の限り叫んだ。




 闇夜を切り裂くような鋭い叫び声だった。



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