道路を思いっきり疾走するのはいつぶりだろうか。夜は全く人気も無いため、妨げになるものは何もない。
真冬の方をちらりと見る。――水露姉に何も言わずに来たけど……大丈夫なのか?
一度キレたら手に負えないなんて、本人には口が裂けても言えない――言えるはずもない。ケンカしてるところなんて見たこともないが、自分が知らないだけかもしれない。
「水露姉の許可なく来ていいのか。心配するんじゃねぇの? それに、真冬が俺たちの問題に関わる理由なんか……」
「大丈夫だよ。ここで、人がいなくなるのは、今に始まった事じゃないんだ」
「それどういう……」
「時間がない、行こう」
――ここで、人がいなくなるのは初めてじゃない?
いつから?
どうして真冬がそれを知っているんだ?――水露姉からそんな話聞いたこともないし、ここで住んでる大人たちだって誰も教えてくれなかったぞ、そんなこと……。
隼政は軽く目眩がした。一気に勉強を叩き込まれたかのような気分だ。