なんとなく何を言われるかわかってる歩は、あえて黙った。
こういう場合嵐が過ぎ去るのを待つしかない。隼政はオカルトが好きすぎて自らオカルトクラブを立ち上げ、しかもその部長。人数は……言うまでもない。
この時期最高学年は参加できない決まりだが隼政に言い負かされ、泣く泣く先生の方が折れたらしい。
地雷を踏むと度々暴走するのを、歩はすっかり忘れていた。
こうなったら、手がつけられないという事を。
「そりゃあ、あゆっちは成績がいいし優等生だからだよ! 女子諸君からモテるし、コンビニのお姉様も歩くん歩くんだし。性格問題ありありなのにさあ」
「女たらしだから歩。おまけに無自覚だから余計たちが悪い」
最後何故か雪芭がうんうんと頷く。しかし、最後どうしても納得できない歩がまた口を挟む。
「女たらしは雪芭だろ、はべらかして歩いてるの見たぞ」
「歩と違って口だけはうまいからね」
「いつもゆっきーの予想外の言動に持ってかれちゃうんだよなぁ」
いつも通りの展開で物事は締めくくられ、図書館閉館時間の5時よりちょっと前ーーギリギリの退出する。そのため少し視線は痛い。