【亜沙美の部屋】
「Σ(゜ロ゜;)何ぃ〜!?浅宮アミって亜沙美だったの?マジかよぉ…確かに【亜沙美】だから【アミ】か…」
太一は驚きの真実を知った。幼なじみの竹取亜沙美は、最近出てきて可愛い鳴き声とお漏らしした?で、少し噂になっているVTuberの浅宮アミだった
「えへへ(汗)学校行かなくて毎日家に居るから…何かしないと暇でさぁ…それで調べてたらVTuberを見付けたから、お母さんに相談してやってみたの…」
「はー、なるほどね…まぁ、確かに何にもせずにずっと引き篭ってるのは身体にも悪いからな…あ!俺のクラスでアミの動画見てる奴いたぞ。昼休みとかに話してたぜ…人気出てるのか?」
「どうなんだろ?人気出てる。って言えるのかなぁ…始めて1週間で登録者2000人弱かな?収益化は、まだなんだけどね…」
太一は亜沙美から、VTuberをしていると聞かされて驚きはしたが…それでも一応話を聞こうと頑張っていた。が、驚きは隠せていない
「VTuberも人気になれば、お金も入ってくるし仕事してる。って言えるから良いよね?」
「お前ソレ本気で言ってんのかよ!?YouTuberもVTuberも食っていける以上の成功者なんて、ほんのひと握りだって聞いたぜ…そんな簡単なモンでもねーだろ?」
「それくらい私だって知ってるって…けどさ、何もしてないよりかは良いじゃん…学校の勉強も社会に出たら大半が役に立たない。って言うよ?難しくても頑張るのは良いと思うんだけどなぁ…」
普段から亜沙美を気にかけていた太一は、今日の遊園地でのナンパ事件もあり余計に亜沙美を心配していたので、必要以上に過剰に反応してしまったようだ
「……あ!ごめんな、つい言い過ぎたよ…」
「…ううん、良いよ。心配してくれたんだよね…私も、やれば絶対に成功できるなんて甘くは考えてないよ」
今日の2人は初めての事が多過ぎて、お互い会話がスムーズに出来なくなっている。中学3年生から一人暮らしになって、不登校気味になってからは会話も減っていた2人だから尚更だった
「えーと…かなり人気が出ないと食っていけるだけの収益にはならないんだろう?やっていけそうなのか?」
「正直分かんないよ。まだ始めたばっかりだからさ…とりあえずは頑張ってみたいんだ…」
太一は知っていた。亜沙美がこの真剣な表情をしている時は、かなり本気モードになっているので外野が「あーだ、こーだ」言ったところで簡単に考えを変えたりはしない事を
「うん、そーだな…頭ごなしに上手くいく訳が無い!とか決めつけるのは良くないよな。気が済むまでやってみろよ。一応、応援するからよ」
【20:47】
「理解してくれてありがとね……そうだ太一!来てくれたのって、私の戸締りを確認する為だけだったの?何か用事があった訳じゃないの?」
「あ!そうだった!…あのさ、学校に登校しないのか?VTuberは反対しないけどさ、高校生は義務じゃなくてもヤッパリ行っといた方が、何かと良いんじゃないかとは思うぜ?」
「う、うん…分かってるけど……あ!もうすぐ21時じゃん!ごめんね太一、もう配信開始する時間だから今日はここまでにしてくんないかなぁ?」
太一から「高校への登校」の話を振られた時、思わず目線を外した亜沙美は、その先にある時計で配信開始の21時まで10分を既に切っている事に気が付いた
「そ、そうか。邪魔しちゃ悪いな。じゃあ帰るよ。一応考えておいてくれよな。俺も出来るだけサポートするからさ。またな……」
「あ!待って太一!」
「何だよ!?」
「明日も良かったら一緒に出掛けない?」
「良いけど……分かった。昼からだな、昼メシ食ったら電話するよ。それまでに何処に行きたいか、考えといてくれよな」
「うん、分かった。じゃあね太一、また明日ね!」
「あぁ、じゃあまた明日な」
亜沙美はまた太一と出掛けたいと思っていたので勇気を振り絞って誘ってみたが、何とか約束をする事に成功した。間もなく21時になろうとしていた
続く