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第6話 亜沙美は泣かない?

【バイオパニック第2章】

(今日こそは泣かない!…うん大丈夫!私ならやれる!平常心…平常心だよ亜沙美!)


昨夜、大泣きさせられたホラーゲーム【バイオパニック】に再戦する亜沙美は「自分は大丈夫」と自分自身に言い聞かせていた…そして深呼吸した後、配信を開始する…


「皆さん、こんばんはっ!AA(ダブルエー)VTuberの浅宮アミです!今日は、昨日の続きで【バイオパニック】の2章をプレイして行きまーすっ!」


✱「おっ!来たな」

✱「今日は大丈夫か?」

✱「可愛い鳴き声期待!」

✱「行きマース!ってアムロかよw」

✱「昨日までよりキツイぞ」


「あっ!今日は同接50人も居るっ!!有難うございます!……そだ!高評価とチャンネル登録よろしくね!」




【バイオパニック 第2章】

「クリスニッジ達の活躍により、麻薬密売は被害者は出たものの…売人たちの逮捕だけは達成された…船の警備員たちに彼らを引き渡し、客室に戻ろうとしていたのだが…」


緊張した表情でCGアニメを見つめる亜沙美


「この言い方っ!…絶対になんか起こりそうなナレーションじゃん!嘘でしょ!?うぅ…」


✱「そりゃ起きるわな」

✱「何か起きなきゃゲームにならんだろ?」

✱「鳴き声の録音準備はOK」

✱「頑張れよ〜」


「な、何なのよ…むぅ!私の恥ずかしい泣き声を聞きに集まってんのぉ?んもぅ!」


本気なのか?元気付けているのか?コメントに焚き付けられる亜沙美はヤル気になっていた。ゲーム画面は客室室の天井に取り付けてある排気ダクトを映していた。ソコから半透明の煙が各部屋に充満して行く


「えっ!?何ナニ…何が起こってるの?何だか悪いことが起きちゃう気がするんだけど…」


✱「来たな…」

✱「アミちゃん大丈夫やろか?」

✱「応援してるで!」

✱「鼓膜ガード準備」


客室に居るカップルの2人が突然苦しみ出し悲鳴を上げる!ちょうど、その前を通り掛かるクリスニッジ少佐は、悲鳴の聞こえた部屋のドアをknockする……しかし、反応は無い

「失礼する!開けるぞ!」


「ちょっとー!そんな勢い良く開けないでよ!この流れって絶対…ゾンビが…」


「ゲボオァァ!!」


「きゃああぁぁぁ!来たーっ!!」


✱「あ、やばそ…」

✱「悲鳴ありがとう!」

✱「可愛い」

✱「あざーす」


……………………………………………


【1時間経過】

「はぁはぁ…ぜぇはぁ…クリア…出来なかった…難し過ぎないこのゲーム…」


何とか必死にプレイした亜沙美だったが…第2章のクリアには及ばなかった。乱れた呼吸音から亜沙美がいかに頑張ったか?が伺(うかが)えるのだが…ホラー系ゲームでは思うように手が動かない亜沙美…


✱「今日はパニクらんかったな」

✱「必死さ可愛い、泣いてたけどな」

✱「可哀想は可愛いだな!」

✱「おーい生きてるか?」


「だ、だ、大丈夫よ…2回目まで…はぁはぁ…パニックになる訳…無いじゃない…ぐす」


亜沙美はバーチャルアバター【浅宮アミ】の姿で配信しているので、亜沙美が涙まみれになっている姿までは画面には反映されていないが…


✱「鳴き声カワユス」

✱「素材提供感謝!」

✱「またホラー実況してな」

✱「チビったか?」

✱「明日も配信ある?」


「うっ…ひぐっ…ぐす……あ、明日もモチロン配信しますよ…明日こそは第2章…クリアするんだからねっ!」


✱「お!良いね」

✱「明日もバイオパニック?」

✱「可哀想は可愛い」


「え?…そうかぁ、1度違う配信するのも有りかな…明日までに考えておきますね。皆さん有難うございました【浅宮アミ】でした!

それでは明日もこの時間に待ってるね〜!」



亜沙美は泣かない覚悟をして挑んだのだが…


「はぁ……やっぱり私にはホラー系はハードル高いなぁ…明日の配信は違うのをするのもアリだよなぁ……どうしよぅ?」


明日の配信内容を考えようとした亜沙美だが…とにかく泣き叫び過ぎて疲れたので、シャワーを浴びて今夜は眠ることにした




続く

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