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第3話 バイオパニック

【バイオパニック】

「ピー!…ポチ。はいクリスニッジ少佐、はい…えっ!船倉で麻薬の取引きが行われている?至急、現場に急行します」


画面にはゲームの主人公であるクリスニッジ少佐(♂)が、先に潜入していた仲間からの通信を受け、船の底にある倉庫に向けて移動を開始した



「ふむふむ、なるほどねー!取り敢えず今回は麻薬組織を壊滅させるわけね。こりゃ楽勝かな〜あはは♬」


✱「言うてんねー」

✱「アミちゃん楽天家やなw」

✱「面白くなってきたな(笑)」

✱「素人はそう言うんよな」




【船倉】

マッケンジー少佐が船倉に辿り着くと、機械音と波に揺られてきしむ船体の音が響く部屋の奥に、仲間の女性隊員と麻薬組織達との大きな声でのやり取りが聞こえる


「諦めてその子を離しなさい!」


「馬鹿言ってんじゃねーよ!お前こそ、この女を助けて欲しけりゃ、その銃を捨てな!」


画面には麻薬組織の2人の1人が、客船乗務員(クルーズガール)の縛った手を片手で掴み、もう片手でその子の頭に銃を突き付けている

更にもう1人が仲間の女性隊員と対峙し、銃を向けて口論している


「ど、どドドド…どうしたら良いのよ!?」


✱「ドドドって機関銃かよw」

✱「Xkey押せ。狙撃すんだよ」

✱「やられちまうぞ」

✱「余裕はどこ行った?」


「な、なるほど!狙撃するのね」


亜沙美は言われるままXkeyを押すと、画面が狙撃用のスコープ画面に切り替わった。仲間を睨む麻薬組織の者の姿がアップで映し出された


「おお!標準スコープ来たー!」


✱「人質撃つなよ」

✱「仲間に当てたら笑えるな!」

✱「焦んなよ」

✱「やれるのか?おい」


「馬鹿にしないでよね!ゆーっくりと狙いを定めて〜…」


「ピローん!」


「えっ!?何、ナニ?」


亜沙美が人質を抑えている犯人に、ゆっくり狙撃用の標準を合わせようとしていると…画面の右上にタイマーが現れ、カウントダウンが始まった


✱「制限時間だよ」

✱「早くしないと人質ごと撃たれっぞ!」

✱「あと7秒な。早よせーよ」

✱「確実にな」


「えっ?マジ?時間制限あんの?あっ、あっ…動くなよー、ジッとしててよ…あっ!?照準が……えいっ!」


「ターン!!」



亜沙美が狙撃keyを押すと、スコープ画面が終わりCGによるアニメが流れ始めた

クリスニッジの狙撃により麻薬組織の1人は倒れ人質は解放され、ソレに驚いたもう1人が対峙していた女性隊員に撃たれ、素早く取り押さえられた


「クリスニッジ少佐、サポート有難うございます!助かりました!」


「まーね、まーね!アミってば才能あんじゃない?とりま楽勝だったわー(笑)」


✱「言うてら」

✱「お調子者やなw」

✱「やれやれ」


そこでアニメは止まり、女性隊員は麻薬組織の2人を縛り出す。救出された客船乗務員(クルーズガール)は危険が去った安心から、その場に座り込んでいる


「えっと…この後どうしたら良いんやろ?」


✱「女に話しかけるんだよ」

✱「安心させたるねん」

✱「人質の確保や」


「なるほどね!優しくしてあげないとね!」


するべき事を教えてもらった亜沙美は、クリスニッジを操作し客船乗務員(クルーズガール)の横に移動させ、彼女に話しかけようとした


✱「おい、来るぜ…」

✱「あかん、鼓膜防御せな」

✱「知らんみたいだな」


亜沙美の操作でクリスニッジ少佐が、客船乗務員(クルーズガール)の肩に手を置き、優しい言葉を掛けようとした時だった



「ゲグオオッ!!」


うずくまっていた客船乗務員(クルーズガール)が顔をあげると……顔を既にゾンビ化していて、クリスニッジ少佐に襲い掛かってきた!


「あびゃびゃ!ゾンビやん!イヤー、嫌!イッヤア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!」


さっきまでの可愛いらしかった客船乗務員(クルーズガール)が、恐ろしいゾンビ顔に変化しており、その顔が画面いっぱいに映し出され、あまりの恐怖に絶叫する亜沙美だった!




続く

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