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第2話 初めてのゲーム配信

【配信準備なう】

「良し。ダウンロード完了!っと。やっぱり下調べは大事よねっ!…お!グラフィック凄いな」


女子高生になったばかりの彼女が、イキナリVTuberをやると言っても無理である。まずはアバターの製作をしなくてはならない。外注すれば100万円は必要なのが今の現状だ

さらに、そのアバターと自分の動きを連動させる為の器材や、もちろんながらハイスペックなパソコンなどなど…用意しなければならないのは山ほどあるのだが…

亜沙美は母親を頼ったのだ。IT関係の仕事をしているのだから頼めるのではないか?と考えたのだ

「本気でやるのなら準備してあげる」

亜沙美は母親に本気の近いをした。数日後、無理やりスケジュールを調整した母親が部下を連れて帰ってきて、ほぼ全ての段取りをしてくれたので今夜の配信に至っている



今日の21時からゲーム配信を始める亜沙美は、ゲーム【バイオパニック】を配信時間前にパソコンにダウンロードしていた


「なになに…ホラー系アクションシューティングアドベンチャーか…大丈夫かな?あんまりホラーは好きじゃないんだよなぁ(汗)」


人並みにホラー系は苦手な亜沙美。しかもゲームしながら、チャットを見て話が出来るのか?不安しかなかったので、あらかじめチュートリアルをプレイする事にした


「ふんふん…なるほどねー。つまり物陰とかからゾンビ化した生き物が突然現れて、ビックリさせに来るゲームな訳だ

うーん、それって比較的、簡単なんじゃない?いかにも怪しい場所から現れるんでしょ?だったら、ある程度予測ついちゃうじゃん!…じゃあさ、それっぽく驚いたフリしないとイケナイかな?」


亜沙美はチュートリアルをプレイした時点で、このゲームは言うほど怖くは無さそうだと判断した。その結果やいかに?




【21時】

「ハイハイ皆さん、こんばんはーっ!浅宮アミ。略してAA(タブルエー)VTuberの浅宮アミですっ!今日は、昨日約束した通りに【バイオパニック】のゲーム配信をしますよっ!」


✱「お、来たな」

✱「ビビってちびんなよ(笑)」


「もちろん居ますよっ!…って、チビる訳ないじゃん!アミは16歳なんですよ!ゲームにビビって漏らす歳じゃありませーん!まっかせてね〜!」


✱「イキってんねー」

✱「ホンマかよ(笑)」

✱「みんな最初はそう言う」


「任せなさいって!それじゃゲーム画面に切り替えますね……ってアレ?画面が変わんない(焦)」


✱「初心者あるあるやな」

✱「やれやれだな」


「ちょっと待って!緊急事態マニュアルちゃんと用意してるんだからっ!」




【バイオパニック!】


✱「お!行けたな」


「お待たせしちゃいました(´>∀<`)ゝ

それじゃ開始してきますね。スタートっ!」


✱「アミちゃんはした事あんの?」


「一応ね、チュートリアルはやっといたよ。まぁほぼ初プレイだね」


✱「あー…こりゃ泣くんじゃね?」

✱「鼓膜破壊すんなよ!」

✱「やばいヤツやんw」


「ちょっとちょっと!大丈夫だって!高校生にもなってゲームに本気でビビったりしないってば(笑)」


配信者は基本、配信前には水分補給やお手洗いは済ませてから始めるものなのだが…たかがホラーゲームと甘くみた亜沙美は、それらの前準備をおろそかに配信を開始してしまった


「クリスニッジ少佐。麻薬密売組織が豪華客船上で秘密裏に取り引きをする。という情報をキャッチした!至急現場に急行しあらかじめ潜入している仲間と合流し、麻薬組織を一網打尽にしろ!」


「なるほどなるほど。そういう感じね!それじゃアミはヤレるって所見せちゃうよっ!」


✱「絶叫するヤツやな」

✱「替えのパンツ用意しとけ(笑)」


「もう!ホラーゲーム程度に本気でビビったりしないっての…さぁ、行くよ!」


かくしてアミは大人気ホラーゲームの内容をよく知りもしないで、ゲーム配信に挑戦する!




続く

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