僕は漆黒色した寒くも、熱くもない空間の中を風よりも早く走り抜けていくのだ。
そう大事な仲間……。愛する仲間……。僕の大事な彼女達……。将来はこの、まだ何とか日本と呼ばれている国の少子化を少しでも防ぐために、僕の子供を沢山産んでもらわないといけない
「うりゃあああっ! 夏侯惇~~~!」
僕は奴の許へと瞬時に辿りつくと怒声を吐きつつ、
僕の夏侯惇の腹部へと向けて魔力を込めた鉄拳を入れ込み、奴の身体を吹き飛ばしてやる。
だから今度は僕の身体ではなく夏侯惇の奴の身体が宙に舞いドン! と鈍い音と共にアスファルトの上に落下したから。
僕は奴を『やったか?』と思うことはないのだ。
だって曹操孟徳の従弟であり、親友でもある。歴戦の猛者でもあった
「いて、ててて……。クソデブが……。馬鹿力を出しやがって……」
夏侯惇は独り言のように呟きつつ悪態をつきながら立ち上がると。