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第85話 仲穎VS夏侯惇(1)

 僕は漆黒色した寒くも、熱くもない空間の中を風よりも早く走り抜けていくのだ。


 そう大事な仲間……。愛する仲間……。僕の大事な彼女達……。将来はこの、まだ何とか日本と呼ばれている国の少子化を少しでも防ぐために、僕の子供を沢山産んでもらわないといけないにゃん達を助けるために。僕は少しでも早く奴の許──! 夏侯惇の許へと光のような速さで向かえるように努力をしたから。


「うりゃあああっ! 夏侯惇~~~!」


 僕は奴の許へと瞬時に辿りつくと怒声を吐きつつ、李儒リちゃんの攻撃に気をとられている夏侯惇の腹部へと先ほどのお返しだ!


 僕の夏侯惇の腹部へと向けて魔力を込めた鉄拳を入れ込み、奴の身体を吹き飛ばしてやる。


 だから今度は僕の身体ではなく夏侯惇の奴の身体が宙に舞いドン! と鈍い音と共にアスファルトの上に落下したから。


 僕は奴を『やったか?』と思うことはないのだ。


 だって曹操孟徳の従弟であり、親友でもある。歴戦の猛者でもあった夏侯惇あいつがこれくらいの攻撃で地面を枕に、転がり続けてくれること等無いから、僕は直ぐにファイティングポーズとり、身構えると。


「いて、ててて……。クソデブが……。馬鹿力を出しやがって……」


 夏侯惇は独り言のように呟きつつ悪態をつきながら立ち上がると。




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