《シュン!》
《カン!》
《シュン! シュン!》
《カン! カン!》
《シュン! シャン! シュン!》
《カン! カン! カン!》
リちゃんが二人の援護……。夏候惇に魔拳で殴られ、アスファルトを枕に「うぅ、ううう」と呻る二人へと止めを刺そうとする夏侯惇へと呪術で召喚したロングボウで、魔の鏃で攻撃……。
でもこの通りで、夏候惇はニヤニヤといやらしく笑いながら、真っ赤な鏃の攻撃を難なく防御し、交わしていく。
それでもリちゃんは、「チッ!」と舌打ちしながら夏候惇へと悪態をつきつつ、真っ赤な魔法の鏃を加えつつ、敵との距離を一定以上保ちながら。夏候惇を自分の側に寄せ付けないようにしつつ呻る、張繍さんと樊稠さんの傍へと近づきながら。
「張~! 樊稠~! 大丈夫?」と尋ねる。
「うぅ、ううう……。けっこう痛いけれど。アーシは何とか大丈夫……」
張繍さんが横たわった状態だけれど。自分のお腹を押さえながらリちゃんへと致命傷には至らなかったと説明をすれば。
「李先輩……。うちも張繍先輩と同じで何とか大丈夫だよ……」
樊稠さんは張繍さんとは違い。何とか自分の身体! 腕! 足に力、魔力を入れ! 四つん這いの状態まで身体を起こし。自分は骸にはならなかったと告げる姿……。
そう僕の可愛い三人がまだ生ある姿が瞳に映るから。
「(魔王?)」
「(……ん? 何だ、デブ?)」
「(僕そろそろ起きて
僕は苦笑いを浮かべながら、自分の心の中にいる魔王董卓へと尋ねた。
「(ああ、面白くなりそうだな、デブ……。好きにしろ……)」
僕が魔王董卓へと尋ねると、このおじさんもケラケラ笑いながら楽しそうだ。好きにしろと言葉を返してきた。
「うぅ、ううう、うぉ、おおおっ!」
僕は魔力! 気力! を一気に上げ──。吠えつつ立ち上がれば。
「夏侯惇ー! 僕の姫ちゃん達ー! 嫁ちゃん達をー! お前は苛めた! 泣かした! だから許さない! 成敗してやる!」
僕は自分の彼女三人を苛めた夏候惇へとキレて猪突猛進──! 【神速】のスキルを使用し、拳を振り上げながら、夏候惇の懐へと飛び込み──! 奴へと肉弾戦を挑むのだった。
◇◇◇