夏侯惇の奴は二人の素早い攻撃を躯になった郭嘉さんへと悪態をつく余裕を見せながら安易に避け、ガードしていくだけではないのだ。夏侯惇の奴は………。
そう僕の張繍さんへと魔力を込めた鉄拳使用して殴りかかるのだ。
それを張繍さんも縄鏢や足蹴りで攻撃を加えつつ防御、避ける、を繰り返してはいるのだけれど
張繍さんの方は夏候惇とは違い目一杯……。余裕がないから、僕の張繍さんは自分の顔を引き攣らせつつ夏侯惇の攻撃を防御──避けつつ一撃を加えていると言った状態でね。
樊稠さんは二人の争いの隙をつくように戟で夏侯惇へと叩き、突きの攻撃を加えている状態が。今この場で争う夏侯惇と張繡さん、樊稠さんの様子なのだけれど。
「はっ、ははは~。張繍と樊稠~。コンビネーションでの俺への攻撃かぁ!? 悪くはない。悪くはないぞ、二人共~! あっ、ははは~。もっと俺を楽しませてくれ~! あっ、はははははは……。」
しかしこの通りだ。夏侯惇の奴は二人……。張繍さんと樊稠さんの攻撃を笑いながら、自身の口迄動かしつつ悪態を尽きながらヒョイ、ヒョイと交わしていくものだから。
「チッ!」と張繍さんの口から舌打ち。
「クソ~」と樊稠さんの口からも歯痒いと言った声が漏れる。
だから二人は更に怪訝な表情をしながら夏候惇へと攻撃を繰り返していく。
しかし時間が経てば経つほど今度は二人が疲れを見せ始めるからね。
「あっ、ははは~! わっ、ははは~!」
夏侯惇の奴が高笑いを浮かべると。
《ドン!》
《ドン!》
「うっ!」
「きゃ~!」
僕の可愛い張繡さんと樊稠さんから、可愛らしい声が吐かれる。
でも二人も前世で名声を残した英霊さまだから。
「チッ!」
「くそ~!」
夏侯惇へと縄鏢や蹴り、戟、蹴りで攻撃を加えていく。
《カン! カン!》
《カン! カン! カン!》
だけど夏侯惇がケラケラと高笑いをしながら相変わらず二人の攻撃を素早く交わし、器用よく防いでいく。
まあ、続けていくから。
「ほら、張繡、樊稠行くぞ! 上手く避けろよ。あっ、はははははは……」
二人のことを侮り、嘲笑いをする悪態をつきつつ攻撃──。魔力の篭った握り拳──。本物の鉄拳を僕の張繡さんと樊稠さんへと加えるから。
「うぐっ」
「きゃぁ、あああっ!」
僕の大事な二人が悲痛な表情と声……。絶叫を上げることになるから。
「あっ、ははは~。未だだな、張繍も樊稠も~。お前等二人じゃ俺に勝てねぇよ~。出直してこい。わっ、はははははは……」
また夏侯惇の余裕の笑みと侮る台詞が二人へと吐かれてしまうのだった。
◇◇◇