だから僕自身も安易に起き上がり、立つことができずに呻っていると言う訳なのだ。
でッ、僕のことを不意打ちで蹴った卑怯な奴……と言うか? 喧嘩はこうじゃないと本当は駄目なのかな? と僕は思えば。今後は気をつけようと僕は自戒するのだが。
この僕のことを蹴るだけ蹴って放置している男はと言うと? 唸り道路で横たわる僕のことは放置して、仲良く飛んだ曹洪の許へと駆け寄り。
「うぅ、ううう」と呻る、あいつのことを見下ろしながら。
「おい、おい。何だ! こりゃ! 曹洪と郭嘉は……。ああ、それと于禁いるのか……。ああ、お前等三人~、こいつらに良いようにやられているじゃないか~。まあ、本当に情けない奴等だな~。マジで駄目だ。こいつら……。あっ、はははははは……」
僕のことを蹴り飛ばした男は最初は曹洪の悲惨な姿を見て呆れ、嘆き、侮り……。
その後は張繡さんに倒された各課さんや僕に顔の骨を砕かれ、屍を晒す于禁を見て悲しむどころか? 男は顔色さえ変えずに曹洪の時と同じように嘆き、呆れ、侮り、嘲笑い……。僕と張繡さんの二人に倒された三人のことを罵倒する悪態をつくだけなのだ。
片目に眼帯をした金髪のヤンキー兄ちゃんはね……。
そして道路や路側帯に転がる三人への罵倒や嘲笑いが終われば片目の男はまた僕へと視線を変え──。ニヤリと微笑むと。
「まあ、デブは今俺が倒したから……。今立っている残りの三人は俺一人でやるか……」
僕を蹴り倒した男は、今度はリちゃんと張繡さん……。樊稠さんへと視線を変え、自分の目の端──。口の端を吊り上げ──。自分の指をポキポキと鳴らしながら見渡し、物色を始めだした。
だから僕は自分の痛みで重たい身体を何とか起こそうと試みる。