「ごめんね、曹洪……。できるだけ痛くしないようにするから、少しの間我慢してね……」
僕が曹洪のポニーテールの長い髪を鷲掴み……。こいつの悲痛な顔をケラケラと笑いながら伝説の宝剣の一つ七星剣を振り上げ──。キラリ! と輝かせると。
「へっ、へへへ……。気にするなデブ……。お互いさまだ……。今日はうちらの負けだ。負けにしておいてやるよ……」
僕に殴られ、髪も鷲掴み──。本当にうさぎちゃんにみたいになっている悲痛な様子だが、まだこの僕に、魏の名将らしく悪態をつき微笑んできた曹洪の奴へと。
「ありがとう。じゃ、後でね~」
と僕もケラケラと笑いながら曹洪へとサヨウナラを告げ、自分の右手に持つ七政権を振り下ろせば。
《ドン!》だ。
そして「きゃ、ああああああっ!」と曹洪の口から絶叫が吐かれて。
《ドン!》
《ドン!》
僕と曹洪の二人は吹き飛び、仲良く地面……。アスファルトの上へと鈍い音と共に倒れ込むから。
「うぅ、ううう……」
そう僕は突然──。自分の目の前に現れた何者かによって脇腹……。それも人の急所の一つである肝臓の位置を魔力を込めた足で蹴られ、道路を枕にして立てない状態で呻っている。
だからその様子を見ていた三人……。リちゃんと張繡さん、樊稠さんと僕の
将来のハーレム生活の妻になり。少子化が進む日本のために沢山の子供を産んでくれる三人の口から。
「仲穎君~!」
「仲頴~!」
「上田先輩~!」
敵の不意打ち攻撃……。それもノーガドで受け、吹き飛んだ僕の身を案じて名を呼ぶ声が耳へと聞こえてくるのだが。僕はこの通りで痛みの余り、自分の身体に力が入らない。