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第29話 抗い(2)

「えっ!」

「嘘?」


 だからこの通りだ! まさか二人──李傕と郭汜は儂が呪術で魔砲弾を反射できるスキルを使用するとも思っていないと言うか? あやつらは【ミラーシールド】の術式を知らないようだと。自分達の後方にいる者達への配慮……。


 そう儂は今自分が【ミラーシールド】の呪術を展開──防御した事で李儒と呻る樊稠……。儂等の後ろで怯える可愛いニャン達を守護する事に成功をした。


 でも自分達の顔色を変えている李傕と郭汜の二人は最終的に仲間を見捨てる事になったから、けしからん! どおうしようもない奴じゃ! 遺憾! 遺憾だ! と儂が思えば。 


「李傕と郭汜の二人はボォ~としないで魔王董卓を攻撃~! 直ぐに殺してぇ~! お願い~!」


 李儒の奴が儂の足元で出来もしない事をお馬鹿な二人へと下知出すから。


「この馬鹿たれが!」


 儂はへたり込む李儒の頭を軽く叩いて叱るから。


「えっ!」


 李儒の奴は見上げるように儂の事を見詰めながら驚嘆した。




 ◇◇◇



「死ねぇえええっ! 董卓ー!」


 ガン!


「わっ、ははははははっ!」


 先程迄良い子で睡眠をとっていた三馬鹿トリオの牛輔の奴が目を覚まして呪術──【爆炎】を撃ち込んできた。


 だから儂は呪術で【ミラーシールド】をまた展開して反撃──!


 まあ、奴らは懲りないと言うか? 大技の魔法弾を使用する時は後方確認──!

 自分の仲間が後ろにいないかを確認するべきなのに劣るから刹那……。


「「ぎゃぁ、あああああああああっ!」」


 また自分達の仲間……。男女問わず数人が躯……。灰と化してまた姿が消えていくものだから。


 ドンドン! と儂の呪術で開かないようになっている扉をこの部屋にいる者達は、自分達の顔色を青くさせ、涙を流しつつ叩きながら。


「「きゃぁ、あああっ!」」

「「誰かぁああああああっ!」」

「「助けてぇえええっ!」」

「「誰か~、お願いだから~!」」

「「私達を~!」」

「「俺達を助けてよ~!」」


 まあ、絶叫を上げ──助けを乞う。


 でも儂が先程呪術が使用できるようにと召喚した亜空間の狭間でこの部屋は外の世界と遮断をした。


 だから奴等が泣き叫び喚き、抗おうとも誰も助けにこない。


 まあ、そう言った訳もあるから大人しくしていれば良いのにのぅ~。何故か奴らは余裕がない三馬鹿トリオの後ろへと本能的に守ってもらおうと隠れるから死が後を絶えない。


「はぁ~!」

「やぁ~!」

「うりゃ、あああっ!


 そしてやっとお目覚めになって自分の瞳を潤ませつつ、真っ赤な顔で、先程儂へと「上田先輩責任をとってよね!」と荒々しく告げてきた樊稠の奴も「とぅ~!」と可愛く自分の口から威勢! 覇気ある声をだしつつ、遠距離攻撃だと被害が増え、躯ばかりになり、灰となり消えるから。各自各々が呪術で召喚した剣や戟、槍を使用して近接攻撃へと切り替えて儂へと攻撃をしていると言う訳なのだ。


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