「当たり前の事です閣下……。誰が自分の目の前で、異性から仲間が凌辱行為を受ける様子を自分の指を咥えながら黙って見続けるのですか、冗談は言わないでください閣下……」
儂が憤怒しながら睨みつけ不満を荒々しく告げても、李儒の奴も憤怒しながら睨み返してきた。
そして儂の眼光を嫉妬に狂った鋭い眼光で弾き返しながら重たい口調で淡々と不満を告げてくるのだ。
そう、あれだけ儂の中にいるデブを虐め続けた李儒の奴だが。それでも奴は、
「閣下~! それ以上私の仲穎君の身体を使用して浮気をする事は許しませんから……。それと閣下……。早く仲頴君と中身を変わってください。私は彼と大変に重要な話をしないといけませんから……。さぁ、早く……」
まあ、李儒の奴はこの通りだ。凛としながら自分の背筋を伸ばし、威風堂々とした麗しい容姿で、赤い光の弓を握り構え──。魔法の鏃で弦を引きながら身構え、この儂、漢の丞相である董卓仲頴を威嚇──脅しにかかってくる。
しかしだ。たかが
「李儒?」
「何ですか?」
「儂がお前の意見を飲めんと言ったらどうする?」
儂はニヤリと自分の口の端を吊り上げつつ、李儒へと尋ねてみた。
「そんな事は分かり切った事だと思いますが、閣下?」
儂が李儒へと尋ねると、奴の眉間に皺が寄り、眉と目尻も吊り上がり、更に恐ろしい、嫉妬に狂った女の顔を始めるから。儂が奴の指示に従わなければ本気で主へと刃を向けるようだからのぅ。
「そうか~。李儒分かった~!」と儂は奴に告げると。
「ほら、李儒、これをお主にやるよ~」と告げ。
儂はあるもの……。下着を儂に脱がされ、着衣をしていない、呻る樊稠の奴を「ほい」と放り投げてやる。
だからドンと! 李儒の奴から鈍い音がすれば。
「きゃぁ~!」と奴から可愛い声が放たれるから、儂はまたニヤリと満身の笑みを浮かべる。
◇◇◇