だからガキ達が自身の顔色を真っ青にさせ、涙を流しながら叫び──。絶望しながら兎や鹿、猪のように逃げる様子が可笑しくてたまらん。
「ひっ、ひひひ」、「はっ、はははははは」
儂は本当に嬉しくて仕方が無い。だから自分の顔を緩ませ、目尻を下げ、嬉しそうに微笑みながら楽しむ。
《シュン!》
《シュン!》
《シュン!》
《カン! カン! カン!》
儂が魔法の矢で狩りと言う名の殺戮を楽しみ始めると。自分の耳へと他から魔法の矢を発射させた音が聞こえてきた。
だから儂は矢の発射音が聞こえた方へと身体の向きを変え──瞬時に盾を召喚した。そして儂自身の身体を防御する。だから儂が召喚した光の盾に遮られて魔法の矢は全部弾かれたから。
「樊稠、貴様もどうやら儂、董卓仲頴に逆らい、楯突くようじゃなぁ?」
儂を躯にする為に本気で魔法の矢を放った阿保へと儂はニヤニヤと揶揄するかのように問いかけた。
「あ、当たり前だろう! うちの先輩達をやってくれた董卓! あんたの事をうちは許す気はないから。躯にしてやる」
儂は今の樊稠の容姿は
どうやら、あやつも
儂はニタ~じゃ! 自分の顔を大変にいやらしく緩ませ、微笑むと
《シュン!!》
「あっ! 董卓が消えた……?」
儂が発動した
儂はそんな奴の懐へと風よりも早く移動──。樊稠の真正面へと一気に詰め寄る。
「樊稠~、逃げて~!」
困惑しながら余所見をして樊稠へと、李儒の阿保が顔色を変え、慌てて自分が立っている位置から回避──儂の攻撃から逃げろと指示を出すのだが。もう遅い……。
儂は「えっ! 何、李儒先輩?」と声を漏らした樊稠の目の前へと、もう既に現れているから。
魔力を込めた右の拳を奴の腹部へと強打──。
「うがぁっ!」
樊稠の口から何とも言えない声が漏れてくれるから、儂の顔はまた緩みニヤリと満身の笑みを浮かべる。
(17)