「いっ、痛、たたた」と儂は呻りつつ声を漏らしながら、床と己の膝に手を当てつつ、部屋の机や椅子にぶつけた身体を起こし立ち上がる。儂は自分の臣下の者達から謀反……。反逆を受けたから、よいしょ! と身体を起こす──。
そして自身の身体を完全に起こせば。自分の利き腕を天空へと掲げ、
「牛輔ー! 李傕ー! 郭汜ー! 逃げてぇ~!」
教室と呼ばれる部屋が漆黒の闇……。灰色に染まりだすと、李儒が声を大にして叫び出した──!
この儂! 漢の丞相である董卓仲穎に対して謀反……不意打ちで殴ってきた牛輔の奴と、その後ろに控え拳を構える李傕と郭汜……。儂の昔馴染みの三馬鹿トリオに逃げるようにと、自分の顔色を変えながら指示をだした。
「そして樊稠~やクラスの皆もこの教室から素早く逃げてぇ~! 魔王が時空の闇~! 空間の狭間を召喚したから~! この部屋に居る者達を~、手加減無しで~、皆虐殺するつもりだから~、早く逃げて~、お願い~!」
李儒の奴は、この儂が時空の狭間……。英霊持ちと呼ばれる者達が素手での喧嘩ではなく、呪術の術式を使用した魔法攻撃や魔力武器を召喚して牛輔達を本気で冥府へと送る気でいる事を悟り。三馬鹿トリオだけではなく、先程この儂の愛情を受け入れる事を拒否した小生意気な
李儒や張繡、牛輔、李傕、郭汜の奴等と一緒になって
「わっ、ははは。もう遅い、遅いぞ、李儒。この部屋に居る者達は皆死ね~! 死んでしまえ~! あの世へとこの魔王董卓が引導を送ってやるわ! わっ、ははははははっ! これがお前等に散々虐められた
儂は高笑いを浮かべながら、謀反の起こしてきた臣下の者達だけではなく、この部屋にいる男女のクソガキ共も躯にしてやるわ! と告げた。
「させるか!」
ガン!
牛輔の馬鹿がまた凝りもしないでこの儂……。警戒心を高めている魔王董卓へと自分の握り拳を使用して殴ってきた。
だから儂は無詠唱で光の盾を左腕に召喚──。牛輔の不意打ち攻撃を防いでみせ、その後は儂の魔力を込めた真っ赤な右の拳を牛輔の顔へとドン! と殴り、食らわしてやった。
刹那──!
牛輔の巨躯はドン!の打撃音と共に机や椅子を倒しつつ、奴の身体は部屋の隅へと飛んで行く。
それも牛輔の口から絶叫すら吐かれない状態で、そのまま奴の巨躯は壁に激として、ズルズルと床に落ち横たわり。
「うぅ、ううう」と呻り声を漏らすのだった。
◇◇◇