ドン!
僕がそんな事を試みるから教室内で大変に大きな音──。まあ床に何かが倒れ、転げた音がする。
「いた、たたた……」
まあ、音がすれば僕の口からお約束である悲痛な声が漏れるから。
「仲穎~、何処へ行くつもりだ~?」
僕のクラスメイト……。特進科の生徒ではなく、家の学園の悪の巣窟である張繡さん達ヤンキー姉ちゃん達と同じく、スポーツ科のヤンキー兄ちゃん……。大きな体躯が自慢の柔道部の牛輔君が床の上で転がり呻る、僕の事を見下ろしながら苦笑を浮かべつつ尋ねてきた。
「ど、何処に行くって……。牛輔君には関係ない事だろう。僕の事は放ってくれよ……」
僕は悲痛な顔で呻りつつだが。得意気に自分の口の端を吊り上げ──嘲笑いをしつつ見下ろす牛輔君を睨みながら関わるなと威勢良く告げた。
だから僕はこの後、第二関所突破する事無く。皆さんの御想像通り。テンプレ通りの事態へと堕ちてしまう。
◇◇◇
第11話 第二の関所を強行作戦失敗(1)
「痛い! 痛い! 痛いよ~! やめてよ、やめてぇ~! 牛輔君や李傕君~、郭汜君は僕に酷い事をしないで、おねがいだからぁ~! 僕はちゃんとリちゃんに頼まれていた物をちゃんと購入してきているんだよ。だから僕に酷い事をしないでくれよ~~~、お願いだ~~~」
先程張繡さん率いるヤンキー娘達の第一関所は難なく突破できた僕だけれど。第二関所は牛輔と李傕、郭汜……。いや、
僕が張繡さん達ヤンキー娘達を撃破した情報をちゃんと知っていたみたいって……。この階の廊下で暴れていた訳だから誰でも気がつくよね……。
まあ、そんな訳だから牛輔と李傕、郭汜は教室へと飛び込んでくるだろう僕の不意をつく、伏兵の策を使用して教室の扉の影に潜み。慌てて教室へと侵入した僕の足に牛輔は自分の足を出し、引っ掛け──。僕は彼の足に躓いて、床に倒れ込んでこのざまだよ……。
僕は張繍さんや
だから僕の口から悲痛な声音での嘆願──! 僕のこの丸々と太った体躯に足蹴り、足踏み等の荒々しい行為はしないでくれと絶叫交じりで嘆願をおこなう。