第88話 海戦をしましょう(6)
そして最後はマヤさまの過去の出来事……。婚姻前にお付き合いをされていた男性のことを一日も早く忘れて自分に寄り添い尽くして欲しいと嘆願をしていた。
だけどマヤさまは今日も私の王子さまへと「そうですか」と短い言葉しか返さない。
だから私は、マヤさまはまだ過去の人のことを忘れることができないのだろうな、と思えば。
またこの場がシーンと暗い物へと変わり。私を含めた王子さまのお后さま達は、家の事情で本当に好きな人と結婚することができなかったマヤさまに対して同情心を募らせ、場が暗い物へと更に沈み始めるから。
私の王子さまは、下を向く妃達を見詰め、自分の髪をかきながら、困ったなぁ、とでも言いたい顔を今日も始めればデッキチェアに横たわり寛ぐことを辞め、立ち上がり。この場を今日も取り敢えず去ろうと試みる。
「閣下ぁああああああっ!」
王子さまがまたか、と大変に困った顔で溜息をつきこの場を去ろうと試みれば。この戦列艦のマストの見張り台に立つ、水兵が王子さまのことを呼んだ。
だから私達も王子さまに釣られるように上を向くのだ。マヤさまも御一緒にね。何だろう? と言った困惑した表情でマストの見張り代を仰ぐようにみんなが見詰めると。
「大蛸型の変異モンスターがこちらへと向かって移動中……。多分遊郭船の煌びやかな飾りに釣られて移動している模様……。どうされますかーーー、閣下ーーー!?」