「ん? ああ、親父殿か?」
「はい、殿下、そうで御座います」
「う~ん、まあ、酒の席だ。親父殿は酒に酔えば何時も、俺にマヤは本当に良くできた気立ての良い、自慢の娘だから。俺に嫁に貰ってくれと。
この場の雰囲気が暗い物とは言いませんが、真剣な物へと移り変わりだしたのを悟ったためか?
王子さまは最後にこの場の雰囲気を穏やかなものへと戻すために高笑いを始める。
「まあ、とにかく親父さまは以前から、お前の夫は俺しか考えていないと何度も言っていたよ。まあ、酒の話の中での言葉ではあったけれど。それでもマヤ、今お前は俺の物だ……。だから今直ぐにとはお前の心の整理もいかないだろうが。早く自分の心の整理をつけて、俺に心を開いてくれ、マヤ……。親父殿もその方が喜び安堵もするだろうし。出来れば早く家の跡継ぎを産んで貰えると嬉しいとまで、親父殿は別れの間際に、俺へと告げていたからな……」