この御姫さまは本当に無邪気と言うか? 怖い物知らずと言うか? 船出をしてから毎日戦! 実践がしてみたい! と、彼女は大海原を眺めては。
『おぉ~い、敵艦隊~、早くララ達の艦隊を襲ってきなさい~!』
『おぉ~い、海賊船~! 早くララ達を襲ってきなさい~。この船には金髪碧眼のプリプリした食べごろの美女達が多々いますから~。早く~、襲ってきなさい~!』
『おぉ~い、海の魔物達~。早くララ達を襲ってきなさい~。ララ達が成敗してあげますから~!』
ララさまは事ある毎に、大海原に向けて叫んでいるのですよ。
だから
『ララは本当に、お人形さんのように可愛らしいな』と。
『ララは本当に我が領地と我が国の海軍の事を良く考えてくれているな、良い子だ、良い子だ』と褒め称えるから。
『陛下~~~! ララさまは御人形のように可愛いですか? じゃ、わらわのことはどれくらい、可愛いですか~?』
王子さまのことが好きで仕方がないアイラさまが直ぐに子供相手にムキになり、競いだすから。
『ア、アイラは、この海に生息する真珠のように麗しい人魚だ。人魚……。人魚姫だ。わっ、ははは』
王子さまはいつも作り笑いを浮かべつつ誤魔化すと言った感じなのですが。
今日もアイラさまはマヤさまへとしつこいぐらい告げ、尋ねるから。
「殿下~。殿下からもララ様へと何か言ってください」
マヤさまも流石に困り果てた顔で王子さへとララさまの件で助け舟をだして欲しいと願う。
しかし、
「あっ、ははは。良いではないかマヤ。敵が来たら、来たらで良いのではないか? 確かにマヤの言う通り、戦になればある程度は、こちらにもリスクはあるが。敵艦を捕らえれば、敵の軍船は手に入るし、財宝や人、奴隷等も手に入る。それに海に潜むボスモンスターを倒せば、財宝が本当にザックザクだぞ! もうそれこそ目が飛び出るぐらいなぁ……」