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第76話 世界最初のハネムーン (19)

「シルフィーヌは大袈裟だな……。それに父上や爺ちゃんも大袈裟だ……。俺の魔力や武力なんて戦上手のヨシヒロ伯母上に比べるとまだまだ……。それに一族を纏める事はエリザベータ伯母上様や父上、ヨシヒサ伯父上の足元にも及ばない。それに智謀や戦術に関してもトシヒサ叔父上やイエヒサ叔父上にも敵わない……」


 だけどわたくしの王子さまはこの通りで、自分の両手を上げるジェスチャーをしながら肩を竦め、首を振り、まだまだ修行の身だと控え目に告げてきた。


 でもわたくし達の王子さまはまだ若い。これからお年を召されれば、必ずインドア帝国を背負うような人……。


 そう中々終焉を迎えることもない隣国との紛争を終わらすことも可能だと、わたくしは大好きな王子さまのことを高く評価している。


 それにわたくしは自分の魔力と魔法技術を王子さまのために使うつもりだから。

 わたくしが大好きな王子さまのことを次の皇帝陛下へと導くのだと思っていると。


「陛下? ヨシヒロさまの魔力と魔法力は、そんなにも凄いのですか? わらわはシルフィーヌさまの魔力と魔法も稀代の天才で相当なものだと伯母上さまから聞いてはいますが。それでもヨシヒロさまの方が凄いのですか?」


 天を仰ぎながら、自分の王子さまは素晴らしい、世界一だと歓喜、感動、感無量……。ポッ! と自身の雪のような肌を桜色に染めていたアイラさまでしたが、我に返ると、何故かこのわたくしを褒め称えてくれた。




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