第75話 世界最初のハネムーン (18)
「な、何ってぇ~? 御方様~。い、今アイラ様とシルフィーヌ様が言われたのですが。御方様は男性なのにボス防具と武器を御持ちなのですか~?」
でもレビィアさまはこの通り、まだ興奮が冷めないようで、ギャギャと煩く再度王子さまへと尋ねた。
「ん? うん、まあ、持ってはいるけれど。余り珍しい事ではないぞ。俺はボス武器を持っている人達を決行知っているし、持っている人と戦もした事があるから。そんなに驚く事はないぞ。なぁ、シルフィーヌ」
王子さまは興奮がまだ……。そう今度は、レビィアさまは、王子さまの背を揺すり起こすのではなく破顔して、いつもの凛々しい男装令嬢彼女ではなく、猫のように王子さまの背へと頬ずり、甘えながら回答を聞いている。
だから王子さまは猫化しているレビィアさまの頭を撫でながら私へと話しを振りつつ尋ねてきた。
「えっ、まあ、確かに私も何人かは知ってはいますが、それでも殿下がボス武器と防具を持っていることは、私は凄い、素晴らしいことだと思います」と、心から絶賛すると。
「私自身も幼い頃にその話しを聞き、歓喜しましたが。お爺さまやお婆さま達、お父さまやお母さまは、家の孫や甥っ子は天下無双だと大変に喜んでいました。それに今後私達の父となるガンダーラ三世叔父さまは、殿下の華々しい初陣や成長に対して涙を流すほど喜び、シマズの叔父上さまや叔母さまに、兄じゃ、姉じゃ、ありがとうと、何度も頭を下げたとお爺さまが私が涙を流しながら教えてくれました。だから私は殿下の稀に見る才能は、一族の誇り……。いや、親族の誇りだと思います……。特に私達が産まれ育った西方の地は、魔物の武器を所持する王国はほんのごく僅か……。指で余裕に数えることが可能な程度なのに。私達のイングリッシュ王家は女王陛下を始め、殿下と和の国への国主さま達へと嫁がれた叔母上さま達が四人も持つ言った稀に見る数字の一族でございます」と。
私は自分の夫さまのことだけではなく、自分達の身体に流れる血は世界一だと天を仰ぎつつ絶賛もした。