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第71話 世界最初のハネムーン (14)

 ルドア兄さま……。本当にこのままでいいの? とわたくしは思うの。


 だって御二人……。マヤさまとララさまは、お互いの政策と意見が合わず、ガンのつけ合い、飛ばし合いをしながら、ガル、ルルルと唸り睨めっこ……。一触即発状態だからわたくしは後ろをチラチラと振り返りながら、デッキチェアーで横たわり、素知らぬ振りをしている。


 だからわたくしはルドア兄さまへと声をかけ、御二人の言い争いを主らしく止めてくださいと直訴をしようかな? と思うのですが。

 わたくし達の王子さまの背を見詰める限りでは好きなようにやらせておけ……。これから長きに渡り一緒に暮らしていくのだから、お互いが好きなことが言えられるようにする方がいいと。

 わたくしは王子さまが背で訴えているような気がする? とよい方にとっているのですが。本当は違うのかな? (笑)と思う。




「あっ! 自分の力を早く試してみたい。できれば敵国船や海賊船の猛者達と争い手柄を立て、早く御方様に褒められたいとララ様が想う気持ちは私も理解ができます。特に女性と言うだけ、父が指揮する近衛隊に入隊できなかった無念を晴らしたいと思う気持ちは私のもありますから。私が水着姿になったぐらいで獲物が釣れるなら。私も頑張って今から水着になりますよ~。ララ様~」

「えっ! 嘘?」

「本当ですか?」

「えぇ、本当ですと、ララ様……。私も早く自分のスキルアップも兼ねて戦がしたくて仕方がない方ですからララ様を支持しますよ。あっ、ははは~」


 今まで神聖な場! 戦列艦! それもインドア帝国我が国の海軍の旗艦ルナ号のデッキで破廉恥極まりな格好……。


 それも和の国で大変に流行っているらしい露出度アップなビキニ水着を着衣してデッキチェアーで日向ぼっこ……。果樹酒など飲みながら優雅に寛ぐとは何事か? と、マヤさまと二人で抗議していた武道派……騎士ナイトのレビィアさまがララさまの思惑を聞き、彼女へと鞍替え……。


 自分自身もララさまのように敵国の水兵や海賊船と早く争い、スキルアップをしたいと天才と天才同士が握手──手を握るからマヤさまは驚嘆! ララさまはレビィアさまの真意が嘘偽りではないのか? と問う。


 でも当人さまは、自分が女性と言う立場だからと実のお父さまに近衛騎士団へと入隊させてもらえなかった無念さがあるから、自分の力を買ってくれた? ルドア兄さまにやはり自分の力を見せ、手柄を立て、ヨシヨシしてもらいたい思いがあるのだと告げる。


「あの、ですね、二人共……。地上戦とは違い、海上船はそんなに甘くは御座いませんよ」



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