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第66話 世界最初のハネムーン (9)

 わたくしの王子さまは、マヤさまの意見がごもっともだ。間違えない。俺の妃は揃って美人揃い。


 それもインドア帝国の兵士から見れば、異国情緒溢れる雪のような色をした肌を持つ麗しい少女達のビキニ姿ですから、チラチラと王子さまに悟られぬように、わたくしのこの大きな胸を見る兵達も多々いますから。マヤさまの危惧された、荒くれ者の水兵達の謀反、暴動が船上で起きる可能性も少なからずあるかも知れない。


 だからわたくしの王子さまの言葉を聞き、マヤさまは自身の括れた腰に両手を当て──。大変に麗しく、機嫌よく、ドヤ顔……。自分の意見! 諫めは!正しいでしょう? と言った顔をされるから。


 流石わたくし達の里……。イングリッシュ王国の海軍を束ねるドレイク提督の御息女! 姫さまだから凄いな! と思う。


 でもわたくしは王子さまを幼少期から知っていますが。当家が誇る異国情緒う溢れる王子さまは、あのと謳われた戦好きの、鬼のような叔母さまが幼少期から水陸と手塩にかけて学ばせて、戦上手に育てたサムライウォリアーですから、きっと何か策があるはずです! きっと!


 まあ、わたくしが自分の脳内で王子さまを一度は下げ──今度は高評価すれば。


「そうでしょう、殿下……。先程から水兵達がアイラさまの水着姿をチラチラと見ては喜んでいるようですから」


 えっ! このルナ号……。わたくしの叔母さまの名前をとり、つけた旗艦に搭乗する水兵達が好んで見ているのは。胸の大きなわたくしの水着姿ではなく。


 まあ、でも、アイラさまも胸は小さい方ではなく、大きい方だとは思うけれど。わたくしはちょっとショック……。王子さまも大変に喜んでくれる胸なのに余りわたくしは人気がないのだと自分の肩を落とし、下を向けば。


「ほっ、ほほほ~。流石インドア帝国の兵達は誰を拝み、奉ればよいかを、よくごぞんじのようで~。ほっ、ほほほ~。わらわの水着姿でよければ~。見たい者は見なさい~。いくらでも~。ほっ、ははは~。そのかわりわらわの陛下のために命懸けで尽くすのですよ~。ほっ、ほほほ~」



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