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第61話 世界最初のハネムーン (4)

 わらわが陛下の大きな背中を見た感じの御様子は……? クスクスと肩で笑っているように見えるのですが。もしかしてわらわ達の主さまは、妃同士の衝突を意図的に作っては、それを見て楽しんでいるのでしょうか?


 もしもそうならば、わらわ達の主さまはかなりの天邪鬼ゴブリンのようですわね。

 わらわが肩でクスクスと意地悪に笑っている可能性がある陛下の背を見ながら呆れると。


 マヤさまもララさまの説明を聞いても怒りが収まりつくような感じではなく。彼女は、はぁ~、ふぅ~と深呼吸をされると。


「じゃ、ララ様! 私の方からも言わせてもらいますね」

「えぇ、どうぞ、マヤさま、お好きなように。ララへと言いたいこと、尋ねたいことがあれば申してください」

「はい、分かりました。ララ様……。じゃ、何故陛下を含めたあなた達は、何時戦が始まるか解らない状態で。この神聖な場所! 一等級戦列艦のルナ号の甲板でデッキチェアーに横たわるのですか? それもそんな魅惑的な水着……。男性の水兵達が見れば、各自各々が性欲を湧き立て興奮し、船上で暴動を起こりそうなビキニ水着と呼ばれる物を着衣しているのですか? 只の日光浴ならば普通に薄手のドレスで宜しいのではないですか?」


 マヤさまは流石国立魔法学園の生徒会長さまをしていただけあって風紀に厳しい正論をララさまへと怪訝な表情で告げ尋ねると。


「閣下もー! 寝たフリをしながら肩で笑わないでくれますかー!?」




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