「あの皆さん、貴女達は何をなされているのですか?」
陛下の悪態で憤怒しているマヤさまがわらわ達へと尋ねてきた。
「えっ、な、何って……。お兄さま……。じゃなかった……。閣下でした。あっ、ははは~」
傍から誰が見ても不機嫌極まりな様子でいるマヤさんの問いかけに対して陛下の従妹さまであらせられるシルフィーヌさんが笑い語化しながら反応を示すけれど。緊張の余り言葉が中々でないみたい。
じゃ、陛下の筆頭御后になるであろう、女王陛下の姪で公爵家の令嬢でもあったわらわがマヤさま……。魔法学園の先輩さまに言葉を返そうと試みる。
「……ララの旦那さまが船底の部屋にばかりいて本ばかり読んでいたら脚気やペスト、コレラ……。心の病などにかかり、病魔に侵されたらいけないからと、ストレス発散も兼ねて日光浴をするようにと気を遣っていただき、ララ達は寛いでいる最中ですが。マヤさま、それがどうかしましたか?」
我が里の国……。イングリッシュ王国の女性の中では一番の知恵者……。才女ではなのか? と噂があった一番年下のララさまが、デッキチェアーに横たわっていた身体を上半身だけ起こして。今自分達がしていることは遊びではなく、病魔の予防でしているのだと微笑みながら、わらわよりも早く説明を始めだした。
「そうですか」
「はい。そうですよ、マヤさま……。何か御不満がございますか?」
天下の知恵者の一人であるララさまがわらわの先輩へと穏やかな口調で微笑みながら尋ねても、当の本人であるマヤさまは海軍都督の御令嬢さまなので、軍船の上は神聖な場所なのでございましょう。
シルフィーヌさまとレビィアさまは対峙する御二人に挟まれ、自分の顔色を変え慌てふためいた様子……。動揺を隠せずにオドオドとしていますが。
わらわ達にこのような優艶な衣装を用意した陛下の様子は?