「ああ」
陛下は気だるげにマヤさんへと言葉を返しゴロリとデッキチェアーに上で転がり、御二人へと背を向ける悪態をつく。
まあ、そんなことをすれば我が母校だった魔法学園の生徒会長さまのお顔は更に真っ赤になり、お堅い彼女は自分の身体をプルプルと震わせながら。
「何ですかぁあああっ! このだらしない殿下の御格好はぁあああっ! この船は王家や貴族の遊覧船ではなく軍船ー! それもインドア帝国の旗艦ルナ号の神聖なる甲板の上ですよぉおおおっ! そんな神聖な場所! 何時戦場になるか解らない船上の上で殿下は一体何を考えているのですかぁあああっ!? それの御父様やお母様が殿下のこんな緊張感もない、だらしない様子を見たら嘆かれてお母様は卒倒され。お父様は殿下の王位継承権を剥奪されますよ。それでも良いのですかぁあああっ! 殿下はぁあああっ!」と雷を落とされました。
でもわらわ達の陛下は
マヤさまがいくら怒声を吐き、注意をしようが、彼女に背を向けたまま無言でわかった、わかったと手を振るだけなので、レビィアさまの方は「あっ、ははは」と苦笑い。
でも
ジロリ!
だからマヤさまは自分の目を細め、陛下からわらわ達へと視線を変えるのでした。
◇◇◇
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